弥生の十一 / 3学期終園日

●3月某日: 3学期の終園日で、午前保育。降園前、まずは春休みにお引っ越しする子のお別れ会が行われる。

親子セットで車座になり、先生が「おひっこしする子、○○くんと△△くん、おいでー」と膝に2人を抱き寄せると、ちょうど私の隣にいた○○くんのお母さんが既に顔を隠してすすり泣いていて、その姿に一気にもらい泣きモードに。彼女には6年生のお姉ちゃんを筆頭に3人の子がいて○○くんは末っ子。とてもしっかりしたお母さんで、かつ人当たりが柔らかく思いやり深く、いつも心に余裕があるような雰囲気で、今年は役員をしていたこともあり、クラスのママたちの中でも頼られる存在だったと思う。週末の送別会でも最後までしっかりしてたのに、まさか今日はこんなに早く泣き始めるなんてー! ギャップに泣けるやん。

先生、「○○くんと△△くん、お別れだねえ。言いたいことある人?」と聞くと、「はーい」と多くの子が手を挙げて、「げんきでね」「またあそぼうね」「たくさんあそんでくれてありがとう「またきてね」など口々に言う。サクは「いっしょにあそんでたのしかった」と言ってた。へー、こういうのが、先生と子どもたちの「語り合い」の場なのねえ、と初めてその現場を見た思い。

次に、年中さんも一緒に(年長さんは卒園済)、先生のお別れセレモニー。サクのクラスの担任をつとめてくれたベテラン先生が、今年で定年退職されるのだ。この園での勤続はなんと41年!! 

この幼稚園といえばこの先生、というくらいに「園の顔」だった。役員さんが用意してくれた花を、子どもたちが一輪ずつ、先生に渡していく。すすり泣きに包まれる講堂。子どもたちは、「先生が辞める」という実感はまったくないようで、静かにしている子、ママにピタッとくっついて顔をこわばらせてる子、「外に行きたい」「おなかすいた」「まだおわらんと?」と言う子など様々だったけど、何となく妙な雰囲気は察してたんじゃないかな。

花をもらう場面では少し目を赤くしていた先生だが、最後のあいさつではいつものように大きな声で、ゆっくりと、笑いを交えながらの明るいお話しぶり。さすがだった。親たち・子どもたちからのプレゼントをそれぞれ渡して(寄せ書きカードがすばらしい装丁でまとめられていた。役員さんセンスある~)、散会になったあとも名残惜しく、先生を囲んで親たちのおしゃべりは続いた。

 

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●「先生の45年間」
http://mamajanaiwatashi.hatenablog.com/entry/2015/03/29/233442

 

年中さんから使う道具類を受け取って、園を出たのは13時ごろで、もうお腹ぺこぺこ。「はればれとした寂しさ」の勢いで、サクに乞われるがままに、ラーメン屋さんで昼ごはんを食べる。「今日は特別だよ」。ひっさしぶりに担々麺を食べた。んまー。

帰り道、「こんどから、おへやはタンポポさん(未就園児の組)がつかうから、たなとか、かたづけたんだー」とサク。「じゃ、サクたちは4月から別の部屋に行くってこと?」「うん! スミレ(年中)になるから」。年少の子たちはみんな、ひとつ学年が上がることを誇らしく思っているのである。朝ごはんもたくさん&さくさく食べるようになったし、野菜やキノコ類も食べられるようになったし、たくさん歩けるし、背も伸びたし、一年でずいぶん成長するものですね。

それにしても、帰宅するや、「○○くんのおかあさんにもらったおかし、たべていい?」って、なんかものすごく空腹感があるようだ。子どもって体調が良くなると、病時の「食べられなさ」を取り戻そうとするかのようにガツガツ食べる習性があるようだ。夜ごはんのチリコンカンもお代わりを繰り返してた。夫は、まだチリコンカンはパスで、鶏と野菜のスープにうどんを入れたものを食べる。