『信長協奏曲』 第1話

放送前、「平成の高校生である小栗旬が、なんかの拍子に戦国にタイムスリップして織田信長と会って・・・」と、夫に付け焼刃の知識を披露すると、「そういうドラマ、こないだも見てなかった?」と返された。「それ、どこの“信長のシェフ”?」って話ですよね分かります(笑)。 

実際、見てみるとノリは「信長のシェフ」に近いもんがある。いやー、似たような設定だろうと、信長の周りには何人の平成人がいるんだ?って話でも、なんせ大河がアレなんで大歓迎ですよ! 平成人のサブロー(小栗旬)が「戦のない世の中!」みたいなことを言ったとき、池田恒興が「何こいつホンマモンのバカ? つける薬ない感じ?」って感じでポカーン絶句。ハイ既に大河を超えました(笑)。

でもさ、JIN・信長のシェフ・そしてこれ。やっぱり、時代劇を現代人に見せるには現代人の感覚を持ち込まないといけなくて、それに違和感を持たせないためにはタイムスリップものしかないんですかね? 大河オタクとしては、やはり、ムムムとも思う。

このドラマの見どころが小栗旬の演技であることは言うまでもない。タイムスリップした高校生ってことで、かなり軽ーい演技をしてるんだけど、眼差しひとつにもやっぱり惹きつけられちゃう。そのそばにやたら付き従ってる(って池田恒興だから当然なんだけど笑)向井くんの演技も、ある意味、見どころである(笑)。初登場シーンでもう、かなり脱力。なんなんだろうねー、あんなにかっこいいのにね。演技が時代劇らしいかどうか、っていう以前に、感情の発露とかがもうもうもう。一本調子で声をはりあげたり、迷ってる場面では、顔を震わせながら目玉を左右に動かすなどのテンプレ演技(笑)。小栗くんとすごいコントラストです。ああ、ダメな子ほどかわいい域。めっちゃ見守っていく!

柳楽優弥の信行は、やり切ってた。これぞ「ザ・信行」って感じの演技。新井浩文といい、今後何年も、信行と斉藤義龍はこのふたりでやったらいいよ!と思った(笑)。柴咲コウはいつものぶすくれ演技。お化粧もうちょっと綺麗にしてあげたらいいのに。10代って設定だからなんだろうけど、番宣でスマスマに出てたときほんと綺麗だったから、もったいなく思う。着付けもあれでいいのかなー。

ストーリー的には、平成の高校生たるサブローが信長の歴史イベントに立ち会い・・・というかサブローの動きによって信長の歴史が作られていくことに面白さが見出されるはずなんだけど、最後になんと、本物の信長が「新しき名をもらった」といい、それが「明智光秀」であることが明かされる。「うわーそうくるか」って感じ。なんていうのかなー、ウルトラCっていうか、禁断の果実に手をつけたって気もする。うまくやれば、そりゃすごい爆弾になるけども。ま、小栗さん(と向井くん笑)という見どころがあるので、当面、見ると思います。