霜月の九 名古屋行き

●11月某日: サクとふたりで名古屋まで行く。しかし朝から若干お腹の調子の悪いサク。家を出る前にスッキリした様子で胸をなでおろして出発。空港までは父に送ってもらったので楽ちんだったが、旅行会社を通じて取った航空券にもろもろこちらの思い違い&確認不足があり、1席しか取れていなかったorz しかも窓側でも通路側でもなく中央席orz そして乗り込んでみると両側は成人男性orz ということで、わずか1時間15分ほどとはいえ緊張のフライトだった。サクには(つーか私もだが)一年以上ぶりの飛行機。当然だが前回より体が大きくなってるな。狭くて居心地の良かったはずはないが、サクにも緊張感があったのか、用意していたチビ鉄向け雑誌やお菓子やジュースでいい子にしてくれて助かった。空港で夫と落ち合い、きしめん。なんか昔食べたときよりすごくおいしく感じた。「かつおだしだ!」と新鮮な感動を覚える「ごちそうさん」脳。チェックインの時間が近づいていたので直接ホテルに向かい部屋に荷物を置いて横になると、あれー? 思わぬ疲れが…。結局1時間近く休憩して、栄の街を散歩する。都会だ(なんという感想だ)。てか、日が暮れるのが早いね。福岡にきた人は「日が暮れねーな」と思うんでしょうな。18時、いかにも名古屋〜って感じの店が良いよねってことで「風来坊」を予約してたんだが、疲れがピークに達したらしいサクが超絶機嫌悪し。まあこういうのって、親が子どもに振り回されるっていうよりは、大人が子どもを付き合わせて振り回してるんだもんね。残念だけど45分ほどで退散する。しかし! 三越のデパ地下で手羽先やら味噌かつやら手羽餃子やら買い込んで、もちろんアルコホルも買い込んで、部屋へ。風呂に入ってサクを寝かしつけたころにサッカー オランダ戦が始まり、2次会開始ー!

●11月某日: 本日もサクのお腹の調子が朝から悪い。しかしチェックアウトの時刻までに決着をつけてくれた。なんて親孝行な息子であろう…。しかし再発がないとも限らんし、お腹の調子が悪いってことは体も本調子じゃかなろうし…ってことで、名古屋城はあきらめる。ホテルからはほど近かったんだけど、きっとすごく観光客多くて賑やかだろうし、サクはそういう人ごみを好まない傾向にあるし、そういう中でお腹がエクスプロージョンするのも困るし、この調子じゃ限定公開中の本丸御殿をゆっくり拝観する感じじゃなかろうし…。さようならおもてなし武将隊、きっとまた来るわ〜〜〜(泣)。ってことで熱田神宮へ行く。そしたらこちらもじゅうぶん人が多かった。そうか、七五三…。結婚式も、1時間強の滞在で3件見た。お日柄が良かったのかしらね…。

しかし熱田神宮は名にし負うもの、とても良かったです。本殿は2009年に改修されたものらしくぺっかぺかだったが、すごい威容。屋根が特徴的な形だなーと思って家に帰ってから調べてみたら、「神明造」と言うらしい。

伊勢神宮に代表される神明造は、出雲大社に代表される大社造や住吉大社に代表される住吉造と共に、もっとも古い神社建築様式とされる。奥行きより幅が大きく、高床式倉庫から発展し穀物の代わりに神宝を納めるように変化したと考えられている。

だそーです(wiki先生より)。こんなの。

境内社の一之御前神社や御田神社、龍神社なんかも、みなこの形でした。屋根に、細長くカットされた木が何本も並べられてるでしょ。「鰹木」というんだって。そーいえば両国国技館の土俵の屋根もこんなんだね。ちなみに、本殿がぺっかぺかに見えたのは、何も真新しいからだけじゃなくて、屋根が銅葺だからなのでした。人が多いのは主に本殿や拝殿のあたりで、境内社なんかは小路も気持ちよく作ってあり林には鳥の声がみちて、「マイナスイオン〜〜〜」と夫が鼻歌歌い、サクは走り回っていた。信長塀も見ました。これほんとに信長がつくらせたの?! 土塀ってそんなに寿命長いんだー。源義朝の正室にして頼朝の母、由良御前のことも思い出しましたね。そう、大河「平清盛」では「…と、父が」でおなじみだった由良さんです。熱田大宮司の娘で、その身分の高さが正室にふさわしいと義朝に見込まれたのでしたよね。

さて、電車で移動。今回の旅の主目的である、義妹一家のお宅訪問だ。建って半年の新居はとてもきれい、気持ちが良い。まあ小さい子が3人もいるので既に生活感はバッチリだけど(笑)、リビングの広さとか、トイレや、チラリと見える台所のきれいさが、やっぱり新築っていいよなーと思わせる。テイクアウトした「まるや」のひつまぶしで、みんなでお昼ごはん。サクは従兄弟たちとの再会がうれしく、場所見知りも一切なく、彼らについて回って一緒に遊んでる。よかった。大人たちはのんびり。のんびりしすぎて途中寝そうになった。「そういえば鳴海って、お城あったよね。昔『信長の野望』に出てきたの、今思い出した。信長主人公で始めるとかなり初期に出てくるお城で…」なんて喋ってると「あれ?そういうキャラ?」て感じで義妹に面白がられる。あれ?歴オタキャラ披歴してなかったっけ? 歴女じゃないよ、歴オタだからね、って一般の人に念押ししても違いはわからんわなw 15時すぎ、辞去。最後はサク、走ってコケておでこにでっかいタンコブをこしらえていた。子どもってオチつけるのうまいよね…(違)。ミュースカイで空港へ。サクはこの2日間、名鉄を満喫していた。

ってことで、観光もグルメも最小限になった今回の旅だけど、名古屋に来て、名古屋だなーとしみじみする点、箇条書き。

  • 街がでかい。しかし碁盤の目になっているのでわかりやすい。
  • 街では、ホテルや店舗の屋根が、歩道にまで張りだしている。軒先まで車で乗り入れると、濡れずに中に入れる仕様。これ名古屋名物ってことでいいですか?
  • 電車に乗ってちょっといくと、遠くに工場群が見え、煙突からさかんに煙があがっている。
  • 町の金融機関が、愛知銀行名古屋銀行中京銀行愛知信用金庫等。
  • 路線図がすごい。地下鉄はけっこう汚い。
  • タクシーのおじちゃんが名古屋弁
  • 日が暮れるのが早い。

広くて入り組んでる路線図とか、汚い地下鉄とか、やっぱり大きな街だなーと感じますね。福岡も九州では威張ってますけどやっぱりささやかな町だ。あと、規模の大小はともかく、日本国内だと百貨店やファッションビルの地帯にしろショッピングモールの地域にしろ住宅街にしろ、風景ってけっこう似通ってるじゃないですか。だから変な話、金融機関の看板に地域を感じるんだよね〜。イオンや三越は日本中にあるが、福岡で名古屋銀行を見ることはない。

帰り、飛行機はやけに揺れる。しかも、時間的に福岡空港の滑走路が混雑していて、揺れ揺れの状態で予定より15分近く待たされた…。しかし帰りは夫と2席並びでとれたので、間にサクを座らせることができて(こういうとき、母の体が小さいと便利です)、行きよりはずっと楽だった。空港から博多駅まで地下鉄で5分(近すぎ)。博多駅からはタクシーに乗る。サクはそれで寝付いて、朝までぐっすり。