神無月の三 /長谷川博己@プレミアムトーク

●10月某日: 午前中、育児サークル。やっと良い季節になったので遠足…ってかあんまり遠くないけど大きめの公園で子どもを遊ばせみんなでお弁当を食べるイベント。しかもやっと良い季節になったかと思いきやけっこう日差しが強くて、日影に入っている時間もけっこうあったのに、3時間半ほど戸外にいて家に戻ったあと、頭がボーッとする感じがあった。久しぶりにこんなに長く外にいたからなあ。運動会の応援とか大変なんだろうな…。3か月ほど前にサークルに入会されたママさん、すごく色白でほっそりしていて押し出しの強いタイプでもなく、どちらかというとおとなしい感じの印象だったんだけど、実は芯が強くてどっしりしてるのかも、とだんだん思えてきていて、今日の遠足でもさばけてるなーって思うところも。すこしずつ付き合いを重ねていくことで違った面が見えてきて、より複雑で重層的な人間像が見えてくる(大げさな表現だが)のは人間関係の醍醐味。ま、それが煩わしくなる場合もあるけど。

あさイチ「プレミアムトーク」に長谷川博己。ごちになりますでチラッと見たことはあったけど、初めて素のトークを見た。声をはらず抑揚はあまりなく、言葉を選びつつ話す。不愛想では全然ないけどことさらサービス精神を見せることもなく、自分を良く見せようとも隠そうともしていないような、淡々とした感じはなかなか好感だった。若者でも中年でもない30代半ばの、地に足の着いた落ち着き。「地獄でなぜ悪い」見たい。

そういえば、今日の遠足では、サクが大泣きする場面が二度。二度とも原因は同じで、子どもたちはちょっと大きな石を見つけて集めるのが好きなのだが、サクが見つけた「いいやつ」に、ほかの子(それぞれ別の子、仮にAくんとBくん)が手を出してきて、引っぱりあったあげく負けて(笑)取り上げられてしまったのだ。そりゃ取られたほうにとっちゃ、いい気持ちはしないだろうなって出来事だけど、普段から、育児サークルにせよ幼稚園にせよ、機嫌が悪くなるシーンはあっても大泣きすることはあまりないサクだ。身も世もない大きな泣き声で大粒の涙を流して泣き続けるなんて珍しい。

なんか、成長してるのかなとぼんやり思った。取りあげられて泣く、て姿は2歳ぐらいから見られるんだけど、そのころの、自分のものを取られた不快感とか、乱暴にされたショック、ってだけじゃない感じがして。がんばって対抗したけど“負けてしまった”という自分への悔しさかもしれないし、もっと思ったのは「どうしてそんなことするのかわからない」っていうか・・・うまく書けないんだけど、普段から、サクはAくんとBくんのことをサークルの仲間だと思っていて、家でも彼らの名前を口に出したり、お休みの時は「きょう、Aくん、いないねー」とか言ったりする。子ども同士で、穴を掘って石を収納(?)したり、お店屋さんごっこをしたりなど、一緒に遊ぶのも好き。だけどAくんやBくんはサクより月齢的にまた幼かったり、性格的にやんちゃなところがあったりで、一緒に遊ぶというより、取り上げたり、急に体当たりしちゃうような友だちとの関わり方がまだ多いし、あと、きょうだいのいないサクが、子ども同士の厳しい闘争社会(笑)に身をおいていなくて耐性が低いというのもある。そんなこんなで、サクにしてみれば、自分も楽しくお友だちも楽しくという平和的共存関係を望んでいたのが、あまりに想像と違う成り行きに驚き、心から悲しくなったのかなーと。ま、想像でしかないけど、なんとなく、より複雑でより深い悲しみが感じられる泣き方であった。ひとしきり泣いたあとの切り替えは早い。