『妻は、くノ一』ほぼ完走 / 夏ドラマ

半沢直樹」の大成功によって堺雅人が当代をリードする役者として見られるようになり、香川照之片岡愛之助の怪演も話題を呼んでいて、これからは(キムタクに代表されるような自然派でなく)舞台的に作り上げた演技が、脇だけでなく主役でも採用されるようになっていくだろうなという予感がひしひしとするわけだが、そこで、この「妻は、くノ一」における市川染五郎の演技ですよ。

高麗屋の御曹司、生粋の歌舞伎俳優、完全な舞台役者なんだけど、半沢的にソフィスティケイトされた舞台演技と対極にあって、めっちゃ昭和。おっちょこちょいの男がうっかり小石につまずいておっとっと〜、みたいな、50年前の教科書に書いてあるような場面を、50年前と同じメソッドで演技してるわけ。これが昭和の作品って言われても多分みんな信じる。でもね、それがいいんだわ。

大河や朝ドラに比べれば予算もスズメの涙だろうし、人気小説が原作とはいえ、脚本もセットも演出もベタに・・・っていうかベッタベタに作ってあるんだけど、なんのかんの言うて、染五郎の魅力で最後まで見てしまったわ。これぞ歌舞伎役者の面目躍如。こういうことやって、嫌味にならず、ダサくもなく…っていうかダサさすらも魅力でしかないわけ。最終回、織江の手を握って、言葉にならない思いを伝えようとする表情なんか、ぐっときた。ちょっと泣けた。ああいう感情表現は、やっぱり、型に帰結するところがあるのかしらね〜。何百年も伝えられてきた型のすばらしさ、ってことかな。高貴の極みの孝明天皇も、おっちょこちょい浪人(じゃない、若隠居か)も、どちらも違和感のない染五郎の涼やかさ、麗しさに乾杯。ええ、あくまで局所的な需要かな〜とは思いますけどね。

美織ちゃんは舌ったらずなので、身軽な肢体はいいけれども、喋ると、優秀で影を帯びた女忍びにはちょっと見え難かったのが残念といえば残念だけど、繰り返し回想される染五郎と夫婦だった日々での、柔らかな笑顔をたたえた奥方ぶりは、セリフ回しも含めてとっても良く似合っていたと思う。

若村麻由美の女忍びが似合いすぎるのは言わずもがな。姐さん、相変わらずキレッキレです。御庭番の家の当主を演じた和田聰宏は、あまり芸達者には見えないが雰囲気はとても良かった。暗くて、ストイックに振る舞ってるけどおまえ絶対エロいだろ!て雰囲気が。しかし話の筋的に、抜け忍になった織江をあっさり殺そうとしたのには違和感。そこは、ひっ捕らえて体ごと俺のものにしてやる…!ってのが常道でしょうがよ!!!

ところで世界陸上が始まったのを機に、夏クールの民放ドラマはことごとくリタイアしてしまいましたの。結局、是が非にも見たいってのがなかったのよね。最後まで残ったのは「半沢」だったんだけど(夫と一緒に見ていたので)、西大阪スチール編が5話?で終わってくれたので、そこですっぱり切ることに。スッキリしました。夫は今もひとりで見てます。彼から、あらかたのあらすじを聞くだけでマンゾク。演技はあらかた想像できるしね☆ 夫が見てるのを背中で聞いてると、奥さんパートが相変わらずかったるそうなのにも笑う。あのパートが終わると、夫に「ごくろうさん〜」って声かけますww 世の男性は、あれ見てあんな奥さん欲しい〜って思ってるんですかね。うちの夫はひたすらうざがっているが。言っとくけど私、上戸さんは大好きなのよ。問題は花さんですよ。

スターマンはちょっと気になってるんだけど、エンジンかかるのが遅かったっていうか・・・。サマーヌードはまだ録画し続けているので、そのうち、窪田くんのシーンだけ抜粋して見るかも。なんか、むっちゃくちゃ、いいらしいからね、彼部分。ティッシュ必携だわね(涙じゃないわよ、鼻血対策よ☆)。「Woman」は、TLとか、セリフの聞き書きをしてるブログなんかであらすじを追ってて、こちらもそれだけで満足。いや〜さすが坂元先生、緊迫の展開が続々ですよね。これ書いてる今夜が最終回。ドキドキするわ!!って見てないくせに。うん、見ようとは思わないんだわ、やっぱり。