皐月の十

●5月某日: 育児サロンにて育児サークルの宣伝をしてみたり(詳しい説明は割愛します)。サロン時間が終わったあと外で遊んで帰る子たち(その多くが室内だけでは体力が余ってる)も相当数いて、サクもいつもこの中に入っている。だいたい13時前ごろに「さすがに帰って昼ごはん食べないと」と親たちが撤収を考え始めると、サク、即座に空気を悟って、すべり台の上にのぼったきり降りてこず、上からママを見下ろして「サク、かえらないよー」と笑ってる。ちくしょう。そうやって遊ばせた甲斐あって、よく昼寝したのだが、寝起きが最悪で1時間近く泣いたり叫んだりし通しであった…。

情熱大陸」の録画、林修。「いつやるか?今でしょ」で時の人になっている東進ハイスクールの現国の講師。東大出身で当然理屈屋でオタク肌なんだけど、社会に出てから紆余曲折あったらしいこと、その末に予備校というある意味劇場のような職場、サービス業的でもある仕事に就いただけあって、エリート臭はほとんどなく、とっつきやすい感じがした。ロマン主義自然主義白樺派新感覚派・・・みたいに作風ごとに分類した本棚には、読み込んでボロボロになっている純文学がたくさん。それを、「志賀直哉は色男。武者小路実篤は典型的なモテない文学。三島由紀夫はモテるんだけど、自分で思ってるほどはモテてない。太宰はモテますよ」のように、モテる/モテないを分類しながらザクザク紹介していくのが面白かった。

●5月某日: 代休の夫の案で糸島へドライブ。糸島ってのは福岡県西部の半島なんだけどこの十数年で変化著しい。スローフードとかスローライフを前面に打ち出して、ちょっとしたリゾート地の如し。福岡県都市部のおされなお店でも「糸島産野菜」とか「糸島豚」ってのはブランドとして明記されるし、「会社を辞めて糸島でお店始めました」みたいな人はローカル雑誌なんかで格好の取材対象になる。今日向かった海辺の白壁のカジュアルレストランも、一年半ほど前とは比べ物にならない盛況ぶりで、12時ちょい前に着いたら、もう駐車場は隅から隅までびっしり。当然満席で、「オープンして1時間経つので、そろそろ入れ替わりの時間。2〜30分ぐらいで空くと思います」と言われるも、結局、席に案内されるまで1時間近くかかった。

店内にはウェイティングスペースがほとんどないし、サクが騒ぐだろうから外で待つ。白山神社という(良い意味で)古さびた社があったり、海沿いを散歩したり、まあ、子どもを外で遊ばせると思えば私はそう長くも感じなかったのだが、帽子をかぶっていない夫が「ちょっと…くらくらする…」と言い始めてびびる。気温は27,8度ぐらいで日差しが夏っぽいし、ニュースでも「5月だと油断して、急な気温の変化に対応できず熱中症で運ばれる人は多いです」と言ってた。やっと案内されたのもテラス席だったのだが、そこはちゃんと日除けがしてあって、風も吹き、めでたく夫も回復。ランチはコースってわけでもないんだけど前菜やスープも凝っていて、メインのパスタも超おいしいしデザートまでしっかりついて980円。「これはついついのんびり食べちゃうよな〜」と、アフターコーヒーも追加注文(200円)してスローフードを満喫したのでありました。サクが1時間以上椅子から立ち上がらないという奇跡を演じてくれたのも大きかったww