朔太朗的日常: 満2歳11か月

写真: はたけから、じゃがいも、でてきたよー!

●「ごはん食べるからおもちゃおかたづけしてー」とか、「早くズボン履いてー」とか呼びかけると、「はいはーい」と、ものっすご軽〜い感じで返事が返ってくる。軽いっていうか軽んじられてる感じ。あるいは、ふてくされた口調で「わかったよー」というバージョンも。いっちょまえだな・・・!

●打って変わって、自分の希望は、かわいい甘え声で訴える。「ママと いっしょに ぶろっく したいなー」とか、「サク、いまから おえかき しようかなー と おもってね」とか。「○○しようかな〜とおもってね」という語尾がブーム。超おかしい。誰の真似だ。

●足を踏み鳴らすようにして「はやく いこう いこう!」とか不思議そうに「どうして なか はいらないの?」とか、「ママ、くつした わすれてるよ」とか(素足にサンダルで出かけていた)、「わすれもの? なに わすれたの? でんわ?」とか、まあ、すらすらと会話しますこと。

●ただし簡単に言葉にできるのは「目に見えるもの、形あるもの」のことが圧倒的で、自分の感情について言葉で説明するのはまだまだ難しい。「いやだ」とか「うれしい」とか「こわい」とかのワンフレーズはもちろん言うけれど、内面にけっこう複雑な感情も渦巻いているようなのに、一言も発さない子どもというものの姿は、頑なで、けなげで、哀れで、かわいい。

●週に一度、午前中だけだが、幼稚園のプレクラスに通園している。思いきり泥遊びができるし、先生たちは優しいしで、当初は楽しいばかりの気持ちで無邪気に通っていた。ところが、だんだん、「ママは別のお部屋でね」という時間がもうけられるにしたがって、最初ママと一緒に教室に入っても、少し変な顔をしている。以前はママそっちのけで走り回っていたのに、今は「ママも一緒に走ろう」と言ったり、走って行ってもすぐに戻ってきてママに抱きついたりする。きっとイヤな予感がしているのだろうけど(笑)、「ママ、離れないでね」「ママ、行っちゃやだ」とは、まだ、言わないのだ。

●幼稚園でやるリズム体操も、年中さんや年長さんが見せてくれるのを、1回目のときは無邪気に真似してたけど、2回目以降は「やだ」「やらない」なんつって難しい顔して見てる。これは・・・これはどういうこと?

●・・・などという、言葉にしない(できない)気持ちもたくさんあるんだなということを、通園しているとあらためて感じる。小さい子に、あえて(仕事があるから預けるとかいう理由でもなしに)そういう気持ちを味あわせる必要があるのか、それは各人各家庭いろんな考えがあるでしょう。私はどっちかというといかにもな早期教育には懐疑的なんだけど、今の通園ペース、今の幼稚園はなかなかいいなと思ってる。連れてくのはめんどくさいんですけど。

●「最初は好きだった幼稚園なのに、ママと離されるもんだから、だんだん行きたくない素ぶりを見せたりしますよね」 「このぐらいの子どもは、まねっこ大好き。だけど、“対(つい)の関係”といって、ふたつ以上の物事を比べるようにもなるんです。あれは大きい、これは小さいというふうに。だから、あの子はじょうず。でも自分にはできそうにない・・・と思ったら、やりたがらなくなることがあります。そういうことは斟酌しないでどんどんやる子もいるし、できるかな・できそうだなと確信してからやり始める子もいる」 幼稚園の先生(おそらくアラ還だけどバリバリの現役、裸足で子どもらと一緒に泥遊びしてる)による解説。

●さらに、「(子どもをプレ幼稚園に通わせて)みんなと同じことをできるようにさせよう、と思っているかもしれませんが、それは幼稚園では求めていません。2歳、3歳はまだそういう段階ではない」 「小さい子ほど個人差が大きい。お片づけして次の遊びをしましょう、と呼びかけても、切り替えにかかる時間ややり方は子どもによって違う。年少さんでも、はじめは次の行動に移るまでの時間を3-40分は見積もります」 「チャッチャとできないとか、ずーっと同じ場所で遊んでて動かないとか、騒ぎすぎるとか、みんなと一緒に体操しないとか。何もかも気にしないでください。その子なりの内面、発達の仕方がある。その子に応じたはたらきかけをするのが大事」 「幼稚園でおりこうさんにしてね、と言い聞かせなくていいです。なんにも言わずにとりあえず連れてきましょう」

●やっぱりプロの言葉には説得力があるよね。それも、型に嵌めようとするでも、放任するわけでもないのが、いい。子どもたちが、(親以外の大人に)あるがままを肯定されている様子を見ると、じんとくる。3歳近くもなると、どうしても他の子と比べて不安になったり、「ちゃんとさせなきゃ」と躍起になったりなど、知らぬうちに親がひとりよがりになったりもするので、プロがポジティブなことを言ってくれると安心する。プロがいるところに連れていく意義ってこういうところにもあるんだな、と感じている昨今。

●さて、サクに話を戻す。この月、夫が早朝の放送を録画して見せ、アンパンマンデビュー。たちまち虜に。その前からタオルとかちょっとしたおもちゃとかは持っていたので、アンパンマンバイキンマンドキンちゃんぐらいの名前は知っていたのだが、スポンジが水を吸う如くに、ジャムおじさんやらメロンパンナちゃんやらクリームパンダやら、チーズやらバタ子さんやら覚え、劇中のセリフや口調を口走るように。

●いつのまにか膨大なコレクションになりつつあるミニカーやら電車、新幹線等のおもちゃ(ブランドはバラバラで大概安物w)。それらをぜーんぶ出して、サク監督なりにフォーメーションするのがブーム。なぜか、テレビ等のリモコンの上や、パソコンのキーボードの上にも並べたがる。そして「こんにちはー、ぼくしんかんせん」「ぼくはドクターイエローだよ。いっしょにあそぼう」「いいよ〜」なんつって一人芝居したり、「ママ―みてみて しょうぼうしゃ なにしてる?」と親を巻きこんだり。

●折り紙、テープ、シール、相変わらず好き。くるま(らしきもの)とかみひこうき(らしきもの)を折ってつくる。くるまには、丸いシールでタイヤもつける。はさみで、まる、しかく、さんかくの形に切れるように。

●出かける準備をしていると、以前から「どこにいくの?」と尋ねていたが、最近では「だれがいる?」とも、必ず聞く。「電車で行くよ」など手段で答えると、「でんしゃにのって、どこにいくの?」と目的地まで聞く(以前は「電車」っていうことだけで満足して喜んでいた)。

●相当前からそうだがこれまで書いたことなかったようなので。新しいものを与えられると喜ぶ。おもちゃや絵本だけでなく、服や、靴や、お皿なども。服や靴下を、「たんすから取っておいでー」というと、新しいものを選ぶことが多い。新しいお皿を3−4回、サク用として使わせたあと、別の日に私が自分で食べるものを乗せて食卓に運ぶと、「これ、サクのでしょ!」と怒ってた。や、別に、君のものって決まってるわけじゃない。

●文句を言わず、へこたれず、自分で歩く距離が伸びてる。もちろん、体調や機嫌、場所への親和度によっては、しゃがみこんで動かなくなったり「だっこ、だっこ」とせがんだりもするけど、平均とったら確実に伸びてる。小さな子との日々は、「いつになったらできるのかしら・・・」と、「いつのまにこんなことが・・・・」との両方だ。