高橋みなみ @スタパ

スタパ高橋みなみの回(4/12のアンコール放送だったらしい)。撃てば響くような会話。オープンで明るい雰囲気に、まだ不慣れで緊張しがち?な新任のインタビュアーも普段よりほぐれた感じで話してる。「起業家とか、若手経営者と話しているみたい」「こちらの背筋が伸びます」というのも的を射た表現だと思った。やはり若いので、言っていることに深遠さがあるわけじゃない、並外れた知性を感じるわけでもない。けれどすべてがお仕着せでなく、背伸びもなく、「自分の言葉」という感じがする。そして会話のキャッチボールが抜群にうまい。質問自体は台本化されていて事前に承知しているのだろうが、ひとつひとつの反応が速くて丁寧で、媚がなく、歯切れ良い。甘えのないところ、大勢の人間の中で揉まれ続けてる感じがビシバシ出てた。会話能力ってやっぱり現場で磨かれる点が大きいと思う。

視聴者からの質問コーナー、アナが質問を読み上げている最中にも、「23才の女性でアパレルの仕事を」というと「おしゃれなお仕事なんですね」など相槌を打ち、「19,20才の後輩の新人教育係になりました、どのように教えたらいいかアドバイスを」という質問には、質問に答える前に「新人教育係になられたんですね、すごいですね」といったん質問を「受ける」ところが、質問者に対する肯定的な雰囲気にみちていた。回答は「教育係をさせられるということは、ある点で認められているわけだから、自信をもっていいと思う。そのうえで、上から言っても人はついてこないから、自分もできないことや弱い部分があると謙虚な姿勢を忘れず寄り添うこと」。なんか・・・すべてに実践の裏打ちを感じる。

やはり総監督という立場や仕事内容について詳しく聞かれていたが、「つらいこと? そんなにないです。(何百人といるAKBグループの)顔と名前を一致させるのが今いちばん大変で、それぐらいですね」と軽く答えたり、「ソロデビューさせてもらってからは、自分のためだけにがんばる場所ができたので、さらにふっきれた。グループではグループのために。ソロでは自分のために、という切り替え」、「このポジションが私を育ててくれたと思っています」など、まーハッキリしっかりしてること。

卒業について「グループを離れる怖さはないですか」と聞かれると、「そりゃ怖いです」とハッキリ答え、「だからこそ自信をもてる自分になるように、後輩にも、卒業してもだいじょうぶだよと見せられるように、今をもっとがんばらないといけない」。

秋元康は『AKBとは高橋みなみである』と言うが、高橋みなみにとってAKBを一言でいうと?」いかにもありがちな質問だが、「自分を変える場所」という答えが返ってきたので核心だったかも。ほんとにそうなんだろうな〜と。まあ、変身願望やシンデレラ願望のない子がアイドルを目指すはずなんてないんだけどね。「自分を変えて成功した」ロールモデルの先輩たちには事欠かないだけに、一心に夢を追うことができるんだろうけど、一方で、「自分を変えるために」という題目、共通認識のもとに、捨てたりすり減らしたり我慢したりすることが正当化されることも大いにあるんだろうなと。「自分を変えるための場所」たるべきためのAKBグループというシステムを維持管理していくために、「個」の犠牲を要請されることも多々あるのだろう、その親玉がたかみなってわけでもある。もちろん、アイドルグループでなくとも、部活でも職場でも、良くも悪くもいくつもの「自分を変える場所」と巡り合い対峙しながら人は生きていくわけで、矛盾を孕みながら物事は進んでいくのかもしれないけど。

●追記●
そんな(往々にして)矛盾にみちた指令を下すポジションにあるせいか、最近のたかみなに対して「楽しくなさそう」「背負いすぎている」という診立てもあるらしい。確かに、体育会系の部長としてなら強力なオーラをもっているだけど、アイドルらしい華は・・・?と言われれば、微妙な感はある。そのあたりまで、6/8発表の順位に影響するだろうから、これまた何重にも面白くて残酷なエンターテイメントなんだよな。