卯月の十三

●4月某日: 20時間の絶食がきいたか、朝になったら胃の違和感、シクシクする感じが消えている。雑炊をつくって食べたあとも快調。ちなみに、私につきあってか(?)ゆうべほとんどごはんを食べなかったサクもおなかがペコペコだったらしく、起きて5分で「はやく ごはん もってきて! もってきてくれるー?!」と連呼し、バクバク食べてた。昼食の準備のついでに、夜の豆アジの南蛮漬けも仕込んだんだけど、揚げたての豆アジがおいしゅうておいしゅうて、一口のつもりが一尾ペロリ。復活したぜ…! 「スタジオパークからこんにちは」今度は市川染五郎がゲストの回の録画を見たんだけど、この番組、やっぱダメだ。NHK的イイコちゃんを装いつつ、中身はゲス。8歳の長男、金太郎くんに稽古をつけるときに「厳しく叱ることもある」という染五郎。「どんなふうに厳しく?」「泣いちゃったりもするんですか?」「はぁーそうですか、泣かせてしまうこともあるんですか」って、ほんっとしょうもないインタビューだな! その場で水彩画を描かせるという企画自体は面白いのだが、描いている間じゅうさんざん話しかけたうえ、時間がきたら「そろそろお時間になるので仕上げていただいて」って失礼でしょうよ。これが視聴者に支持されているのであろーか。染五郎丈は終始笑顔で、即興で描いたドォーモくんの水彩画で持ち前のお茶目さを垣間見せていた。じりじりするので、しばらくこの番組チェックするのやめよう…。

●4月某日: 来月、育児サークルで行うクッキング教室について、主催の生協団体から担当の方を招いて、公民館で打ち合わせ。先方は実施に慣れていて、なんの心配もない感じ。30分ほどで打ち合わせ終わった後、ほかの役員さんたちに誘われ、隣の部屋で行われる親子体操サークルに体験入会。ここは「裏 育児サークル」とでも言おうか、7,8組の会員全員が、私たちの育児サークルメンバーなのであった。どの子も最初は戸惑ったり嫌がったりすると聞いていたし、サクもいかにもそういうタイプだろうと思っていたのだが、音楽に合わせて歩いたりジャンプしたりしゃがんだり、「もしかして前も来たことあったっけ? てか、みんなが寝静まったあと、コッソリ練習してる?」ぐらいの勢いですんなり馴染んでいた。やはり周りが知った顔だらけというのも大きいのだろう。夫はまだ体調がすぐれず、夜は雑炊みたいなものが食べたいという。それはもちろん作ったのだが、そもそも準備していた豚バラを、じゃあ私の分だけ…と焼こうとして、念のため「ちょっと食べる?」と聞いてみると、たいして迷わず「うん」。そして、ちょっと、というにはちょっと多い量を、きれいにたいらげていた。

Eテレ「知恵泉」は杉田玄白、解体新書出版までの道のり。18世紀後半、キリスト教がらみの書物とみなされないための工夫など。蘭学医の玄白は、己の分野にのみ専心するのではなく、むしろ逆で、世の中で起こったこと、昨今の風潮など、なんにでもアンテナを伸ばして詳しく日記に書き残すようなタイプで、そのため、解体新書についても、翻訳や著述だけでなく、編集者的に優れた才を発揮できたということらしい。「幕府に睨まれない言語表現のため細心の注意を払った」といったあたりで、ゲストの友近が、「私も言葉には気をつけますよ。女性器、と直接は言えないので、なんか味のある言い方はないかと…。たとえば“奥の細道”とか」と言うと、東京学芸大の教授で、「八重の桜」の時代考証もつとめている大石先生が、こっそり、しかしかなり爆笑していた。