弥生の七 / 鹿児島3日め

●3月某日:
霧島神宮に行きたかったが、やはり時間的に厳しいのであきらめる。お食事処で食べる朝ごはん、さつま揚げとか明太子とかがついているのが九州っぽい。ゆで卵にトロロあんがかかったもの、おいしかった。サク用のオムレツがふっわふわ。

しばし休憩して朝風呂。サクは温泉がいたく気に入ったようで、この旅ののちも、テレビで温泉風景が映ると激しく反応する。「サクちゃんも さっき おんせん いったでしょー? パパと ママと サクちゃんと おんせん いったね〜」。もはや「さっき」と言うにはあまりに遠い過去なのだが(笑) 

チェックアウトして鹿児島市内に向かうが、意外に早く着いたので照国神社に立ち寄る。幕末の薩摩の名藩主、島津斉彬が祀られているだけあって、島津の「丸に十字」紋が、これ見よがしに、もう、これでもか、これでもか、これでもかと使われている。階段をのぼっていくと広い境内。鶴が大きく羽を広げたような形に見事に剪定された大木。神殿の中では新生児ちゃんのお宮参りなどの祝詞があげられていた。

併設されている資料館には無料で入館できる。島津藩主家の家系図やら歴史やら肖像画、斉彬公ご愛用の手袋や地球儀など貴重な品が見られる。幕末に孝明天皇から賜ったご宸筆もあった! 残念ながら複製だったけど、とても伸びやかで大きく立派な手蹟で和歌が書かれていましたよ。「八重の桜」でまさに孝明天皇のご宸筆が登場するくだりを見てから数週間っていう絶妙なタイミングだったのでヒャッハー。当然ながらほかの藩もご宸筆を賜っているのよね、まあ心からのラブレターつきは会津だけだったのかもしれないけどwww

いちばんすごかったのは、斉彬公が御年12歳のときに書いたという書が掛け軸にされていたもの。これは複製ではない本物だったんだけど、大きく書かれた「景行」の二文字の書、お手本を真似てきれいにまとめたような字では全然なくてね。墨痕も鮮やかなその字に込められている力、気概みたいなものに圧倒されるようで、ははぁ大藩のお殿様になるべく育てられるような人って違うなーと感嘆しました。ほか、同じく斉彬公が描いた牡丹の絵もあったよ。

鹿児島駅前広場には「新幹線と一緒に写真を撮ろう!」というパネルがあって、サク、そこに釘づけ&大盛り上がり。

そこで撮った写真はすべて満面の笑みだった。おみやげを購入し、少し移動して黒豚のお店でお昼を食べて、14:00の新幹線で博多へ向かう。親はすぐにでも眠れるモードだったが、サクは全開。騒ぎすぎるのを抑えるために、手遊びをしたり折り紙をしたりお菓子を与えたり…1時間40分で済んで本当に助かる〜と思いながら帰宅したのでした。