『泣くな、はらちゃん』 第5話

マンガの中から出てきて、こちらの人間に恋をしたんだから、住む世界が違うってのは必ず問題になるって、みんな最初からわかって見てる。けど、「死という概念を通じて」はらちゃんがそれを実感することになろうとは、誰が想像したでありましょう。ある日突然やってくることもある別れ。はらちゃんが、1話や2話のようにわあわあ泣くんじゃなくて、「もう会えないんですね」と静かに悲しみをかみしめているのも、故人を思うと
一番に出てくるのが「チューまたはキス」だなんてくっだらないエピソードなのも、すごくよかった。グッときた。

そして、マンガの中のはらちゃんが、「新しい仲間です」とたまちゃんを紹介するあたりから号泣。人は必ず死ぬ。マンガの中の人は死なない。はらちゃんから見るとそれは断絶なんだけど、それこそが物語の効用なんだよね。そこに永遠の命があるから、人類はいつでも物語を必要としてきた。癒されるため、励まされるため、冒険するため、忘れないために、人は物語を作り、語り継ぎ、読み継いでいく。

ドラマの終盤では、物語から得るものを現実にどう収れんさせていくかということがテーマになるはずで、つまり、最終的に越前さんは物語の中だけで遊んだり憂さを晴らしたりするところから踏みだすんだろうけど(そして物語と幸せな別れ方をしていないんと思われる百合子さんやユキ姐にも救いが訪れるんだろうけど)、今回の道筋を辿ったのとそうじゃないのとでは、ラストの深みはもう全く違うはず。記憶に残る名作回。