霜月の二

●11月某日: 午前中、私はランニングへ。夫とサクは冬物のスーツを買いに行く。子ども向けのお絵かきコーナーとやらがあって、ずっぱまりだったらしい。帰ろうとすると大暴れで抗議するサクに、お店のお姉さんが販促品?のかわいいハンドタオルを「はい、どーぞ」とあげると、「ありがとー」と収まったそうだ。それって、立派なクレーマー…。サク、昨日から見たいテレビ番組があるらしく「“とっとっとっと、えーびーしー”だよ〜」とさかんに主張しているが、何を指しているのかわからない。録画している「えいごであそぼ」を始め、あらゆる子ども向け番組を見せても「これじゃない」「これ、ちがう!」と否定し、しまいには激しく泣き出す始末。とっとっとっと、えーびーしー。なんなんだ。こっちも知りたい。夜、辛い鍋。サクには、夫が特製ラーメンを作ってやっていた。鶏ガラでスープをとって、うすくち醤油と牛乳で調味し、麺と具、卵と海苔も入っている。鍋のシメはちゃんぽんか雑炊にするのが常なんだが、今夜は大人用にもラーメンを買ってきていた夫。とりあえず肉・野菜などをしこたま食べた後、私が「ちょうど腹八分だわ。やめといたほうがいいかな」と言うと、「食べたほうがいいよ。おいしいから」と薦められた。おいしいから、って理由が妙に面白かった。そして実際に、とてもおいしかった。それを見て、「ちゅるちゅるだー!」とまた食べたがるサク。「えー、これは辛いよ」と言うが聞かないので、ちょこっとだけあげてみると、舌をべーっと出して手で押さえ、変な顔に。「ちょ、ちょっと。これ、ちょっと」と言って絶句。「からい」という語彙がまだないのだ。お水をあげたらごくごく飲んでいた。中国杯は町田&浅田が優勝!

●11月某日: 夫は5時間ほどの休日出勤。平日はすんなり「いってらっしゃい」できるのだが、今日は家を出る時間が遅めでひとしきり遊んでもらったせいか、スーツ姿を見ても「パパが仕事に行く」ということが飲みこめないらしく、サクは号泣。ほうほうのていで、といった感で実家に避難。父が迎えにきてくれた。双方の祖父母によくなついているので助かる。特にやはり私の母が一番親しみ深いのか、母のあとをついてまわり、体をぴったり寄せて隣に座ったり、膝にちょこんと腰かけたり、ほっぺにチューってしたりしてる。母、泣けるわ〜とまで言って喜んでる。もちろん、今という期間限定だろうけど、実家に行ってごろごろしてるだけで親孝行をしている感。これも一種の子どもへの依存であろうか…? 先に帰った夫、たまにはひとり静かに昼寝でもしてるかと思いきや、ゴザをしまってホットカーペットをセットし、宅配の段ボール箱など大物のゴミを片付け、洗濯ものを干し、ひじきを煮てた。「ありがとう、せめてものお礼です」と、夜ごはんのメインおかず、トンカツを差し出す(←実家で母が揚げてくれたもの)。『平清盛』、のちのちまで語り継がれるだろう重盛回。