『世界を歩いて考えよう!』 ちきりん
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2012/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 106回
- この商品を含むブログ (62件) を見る
政府や大商人だけでなく、一般の人までもが外貨を欲しがる国があること。ひとくちに美術館といってもその成り立ちは様々であり、ゆえに展示方法にも大きな違いが出ること。伊東博文がお札から消えたわけ。同じ移民の国であるアメリカとブラジルの違い…。
どこをとっても驚きと発見の連続。そして、たとえちきりんと一緒に旅をしても、私はこんなにも多くを感じたり考えたりできないだろうなーと思う。機会が人の目を開かせることはもちろん多いけれど、きっと、「この人だからこそ見えた」ことも、とてもたくさんあるんだろう。それを、わかりやすい文章で、じゃんじゃん惜しみなく書いて、たった1,365円で読ませてくれる。ありがたいこと。
しかも、これだけ海外経験の豊富な人が、あとがきで「最近、海外旅行をする若者が減っているのを懸念する声をよく聞くけど、それは日本の若者が、日本が楽しい、いい国になったと思っているから。若い人がネット・コミュニティやゲームに時間を使うことが海外旅行より好きだとしたら、そこに次世代の可能性、すなわち未来があると彼らが感じとっているからだ。それをむりやり「海外に行け!」というのは団塊世代、バブル世代のエゴに過ぎない」とあっさり書いてるのには参った。そのあとには、「好きな人だけで楽しめばいいじゃん」と続くから、もちろん、選民意識もある人なんだろうとは思うけど、やっぱりこの人の「目」に私は脱帽する。