『ゴーイングマイホーム』第2話 と、“酒の肴”ドラマ考

来週の『最後から二番目の恋スペシャルの番宣を見て、夫が発した「これはいい酒の肴になるな」の言葉が私の中でヒット! 今後私は、「酒の肴になるドラマ / ならないドラマ」という観点でジャンル分けするだろう…。

平日の夜とかさ、一日の疲れもあるし週末はまだ遠いし、って感覚があると、エンターテイメントの世界でまで忙しい思いをしたくないというか、そもそも、「フィクションの世界に入る」スイッチがなかなか入らなかったりするんだよね。そんなときにうれしいのが酒の肴になるドラマです。ちびちび酒を飲みながら、基本的にゆるい感じで見てるんだけど、「くすっ」「鋭っ」というポイントが随所にあるような。

BGMや画面がうるさくなくて、話が疲れなくて、でも脚本がすごくうまくて、メインの役者たちは下手がいないのは当然のこと、できれば大人のキャストで、そしてコメディセンスが感じられるもの。それが酒肴ドラマだ!(と、断言するようなもんでもないが)

『ゴーイングマイホーム』はもちろんこの類! 良くも悪くも(?)「映画みたい!」という声で一致した見方をされているこのドラマ。「映画みたいで好き」といってる人たちには、この「酒の肴になる」感じがツボなんだと思う。逆に「映画みたいでちょっと」という人たちは、ドラマに酒の肴感を求めてないんじゃないかと。だらだら飲んで玉石混交の会話を続ける…なんて飲み会が私は大好きですが、嫌いな人だって多いもんね。

あ、しかも、このドラマの場合、酒の肴といっても一袋100円の柿ピーとかじゃないんだよね(私は柿ピーも好きだが)。鮭とばとか、高級なスルメイカの炙り的なもんがある。ふー、書いてるとだんだん飲みたくなってきたぞ。

阿部ちゃんの、ダダ洩れるおかしみが最高。たたずまいそのものがすでにおかしいし、ちょっとした表情や仕草で笑わされるのが快感だ。今回も、ドキッとするようなセリフがいろいろあったなあ。「父親になるチャンスよ」とか、「なんとなく流れで。パパにもあるでしょ?」とか、「立派な奥さんをもつと大変ねぇ」など。それに、意外に話がスルスル動いていく。第2話でもう、もえちゃんも長野に行って一緒にクウナを探してる。

「目に見えないもの」を受け容れている娘。「そういうの嫌いだから」とはっきり言い切る妻。容易には信じられないけれど揺れる主人公…。面白い。お弁当の顛末がどうなるのかもすっごく楽しみ。バカリズムとか阿部サダヲとかとの会話も。連続ドラマって、映画よりも何度も何度も積み重ねられるわけで、是枝さんがどういう手でくるか、ほんと楽しみだ。