長月の八

●9月某日: そろそろサンダルの季節も終わりってことで、サクの靴を買いに行く。春まで履いてたのは小さくなったからね。その場で、「昼ごはん、牧のうどんに行くか」って話になり、俄然、気分が上がる。博多っ子にとって、うどんとはむしろ豚骨ラーメンよりソウルフードといえるのではないかと思うが、うどんの中でも「牧のうどん」は、安くて美味しいから好き☆という以上の高揚感をもたらす存在(福岡っ子のみなさん、わかるよね?)。「牧のと俺との真剣勝負」というか。ブツが運ばれてきたら、いただきますを言うが早いか飛びつくように食べなければならない。談笑したり、熱さにひるんだりしてのんびり食べていたら、どんどん追い詰められていくのだ。もともとコシのない博多うどんらしさあふれる麺が、スープをどんどん吸いこんで肥大化していくけんな…。今日も、サクの世話は最小限にして、もくもくと食べました。かしわごはんも、うんまかったー。サクもよく食べてた。

夜は夜で大食。夫プレゼンツの揚げもの大会だ! なす、玉ねぎ、ピーマンの天ぷらに、人参・オクラを豚肉で巻いたもののフライ。ポテトサラダともろみきゅうり。昼寝なしだったのでサクは8時にコテンと落ち、夫婦でのんびりと夜を楽しむ。…ま、つまり激しく飲んだってことですが。昨日と今日で、ふたりで焼酎5合は飲んだ。ビールもね、けっこう空けたしね…。キングオブコントをぜんぶ見てしまった。自分が見た感触と、芸人による採点との乖離が甚だしい。5人組の「夜ふかしの会」の1本目、学級会で繰り広げられるドタバタがむちゃくちゃ面白くて、夫ともども泣けるまで笑ったんだけど、すげー低得点。目立ちたくないのに目立つ要素満載の転校生ネタやったうしろシティも面白かった。

●9月某日: 午前中、家でのんびり読書。サクと夫は大濠公園へ。サク、たぶん余裕で半年以上は経っているけど、「ここの売店でソフトクリームを買ってもらった!」という記憶がよみがえったらしく、即、「アイス!アイスだよ」と催促したそうだ。無事に買ってもらい、かぶりついてる写真に大ウケ。超真剣な顔なのだ。や、これは、もちろん親バカだからこその“ウケ”。自分と離れているときの子どもの写真って、すごくかわいく感じられる。昼ごはんは、ゆうべの天ぷら粉の残りを天かすにしたのをふりかけた、熱いにゅうめん。卵とわかめ、ネギもたっぷり。夜ごはんは塩サバ、厚揚げと野菜のあんかけ、味噌汁。いずれも夫の手によるもの。ごちそうさまでした。私が「平清盛」を見ている間、夜の散歩としゃれこんでいた夫とサク(断じて、「大河を静かに見たいから」なんつって、私が追いだしているわけではないですよ!)。夜は冷えるので、サクには長袖を着せていった。