10/8 小久保選手ラストゲーム

ミスター・ホークスこと小久保裕紀選手のリーグ最終戦。夫がおそるべき引きの強さでチケットを当てたので、バックネット裏前から2列目で観戦です。最後のセレモニーがキモなんで、ちょっと遅めにドーム入りした。球場に3時間も4時間も、てのは、2歳のサクには厳しいんでね。「今日はあんまりもつれないで、最悪、負けてもいいから、さくっと終わってほしいよねえ」なんて話していましたらアータ、最下位オリックス相手に負けも負け、ノーヒットノーランを食らってしまいましたよ! 外野のほんの一角をのぞいてぐるっと埋め尽くしたホークスファンも、7回あたりから、「やばいね」「これ、このままいっちゃうんじゃないか」とそわそわし始め、こちらバックネット裏では、3塁側ベンチ前で投球練習をしている西投手に、「西、打たせろ!」「いや、西、もうやっちまえ!」と観客のおじさま方が飛ばす野次も意思統一ならず、交錯してる。

しかしまぁさすがに、不甲斐ない試合ぶりにも、席を立つ観客はまったくいません。そうそう、今日は球場の入り口で、全員に小久保の背番号「9」のボードが配られた。彼が打席に立つたび、ドーム中できらきらと光る「9」や、「青春感謝」とか「小久保選手ありがとう」のような横断幕に、今日が特別な日であることを感じられ、ちょっとうるうるした。

満員御礼でゲームセットのあとは、1年間のご愛顧に感謝を表すセレモニー。50人を下らない選手たちがずらっと一列に並び、秋山監督が謝意を述べると、「これからひとり一言ずつ挨拶してもらいます」と言ったのでわっと沸く。それにしても50人以上・・・とくらくらする思いもあったのだが、さすが地元球団だけあって、50人全員知ってるわけで、「負けるのは今日が最後です!」と大口をたたく人(森福)、「今日はすいませんでした」と早々にノックアウトされたことを謝る人(山田)などなど、気づいたら飽きることなくひとりひとりに爆笑&喝采を送ってた。みんなで「いざゆけ若鷹軍団」を歌いながらグラウンドを一周。

そのあとがいよいよ、小久保の引退セレモニーです。ここで主照明が消え球場が暗くなったのを機に、サクが寝た。ちなみに今日は、ノリノリで外野席の応援に合わせて手をたたいたり、ビール売りを真似て大声を出したり、お菓子をむさぼりジュースをむさぼり、やがてそれらにも飽きてスタンドの階段を上り下りしたがるのを止められ・・・と元気なサクさんでした。前回(5月か6月)に相当こわがっていたジェット風船飛ばしに対する今回の反応は、“ママが風船を買った瞬間、「ないない!」と収納を迫る → 「これね、ふうせんだよ、こわくないんだよ、ふーってするだけだよ、シャボン玉と一緒で飛んでいくんだよ」などと両親に説得されて、一応落ち着く → パパのひざの上で固まったまま、膨らみ、揺らされ、飛んでいく風船を見送る”て感じだった。

もとい。スクリーンで映し出される19年間の軌跡。球場中央に独り、立った小久保選手に、まず白戸家の人々が花束を贈呈します。このために、ダンテと犬はおろか、上戸彩まで来たんだぜ! 当然、フォトセッションもありました。今日が41歳の誕生日でもあった小久保さんのために、上戸さんの合図でケーキも運ばれてきました。ファン代表として少年二人からも花束贈呈。そして小久保さんからの挨拶です。3万人で歌われたハッピーバースデイへの感謝、球団への感謝、女手ひとつで強い体に産んで育ててくれたお母さんへの感謝、ファンへの感謝、王監督への感謝。ユニフォームを脱ぐに至った決意・・・。胸を張って、最後までしっかりとした声でされたスピーチだったけれど、なんか泣きそうになっちまった。前の席に座っていたおじさん、15歳くらいの息子さんとふたりで来ていて、試合中は終始言葉少なに見てた親子だったけど、スピーチで涙を拭ってたよ。

小久保選手が、打席に立つときのテーマソング、SMAPの「ありがとう」をバックに流しながら、ファンと握手をかわしかわし、グラウンドを1周してくる間に、選手たちが再びグラウンドに出てきた。斉藤和巳元投手や、マリナーズ・川崎宗りんもグラウンドへ。川崎は、7回裏の前にも、応援歌に合わせて激しく踊る姿がスクリーンに映ってました。松中からの花束、そして、王会長からの花束で男泣きに泣いてた姿は、スポーツニュース等で映っていた通りです。最後は胴上げ。もちろん9回だったんでしょうね(サクを見てて数えそこねた)。

「一年間の感謝と、CS頑張ってきますの思いをこめて!」と、最後、暗くなったドームに花火が打ち上げられた(強風のため屋根は閉じたまま)。一発目が上がった瞬間に夫に耳をふさがれたサクは起きず。でも次々と10発以上上がったと思われるんだが、よく寝てられますね、耳ふさがれたくらいで・・・(すべてが終わって立ち上がり、さあ帰ろうと階段を上り始めると、起きた)。

ミスターと呼ばれる選手の引退セレモニーを生で見るなんて、もしかしたら一生に一度かも(ついでに、ノーヒットノーラン試合も・・・)。19年って長いよなあ。19年前って、私15才か。地元球団って、すごーく熱心に応援しているときでも、それほどでない時期も、なんとなく試合結果や順位はチェックしちゃうし、意図しなくてもチーム状態や注目選手なんかが目や耳に入ってくる存在。その中心に、いつもあたりまえにいるのが小久保だったよなあ*1。斉藤は大きな怪我をし復帰がかなわず、城島も、井口も、杉内も、和田もホークスを去った。もちろんそれぞれの人生だし、スポーツ選手が挑戦を続けるのはあたりまえのことだけど、小久保がホークスで選手の花道を飾ってくれたのは、ファンにはやっぱりうれしい。長く活躍する選手にファンの心はぴったりと寄り添うものだもん。小久保は、私の青春時代のホークス史の顔。次の20年活躍する人にまた出てきてほしいものだ。そのひとは、私の「第2の青春」のホークス史の顔ってことになる。

*1:数年、ジャイアンツに行ってたけどさ。そのときももちろん、福岡ではすんごいニュースになってた