ことば・10 満2歳2か月 「修飾語の付加」
これぐらいの子どもは、身の回りで目に映るものや、絵本のページの絵のひとつひとつを指さして、名前を言っていくという習性がある。「くるま」とか、「ぱんだ」とか、「コップ」とか。しばらく前から、その「指さし呼び」に修飾語をつけるようになった。おなじみのものは、必ずと言っていいほど二語で呼びあげていく(逆にいうと、未知のもの、馴染みの薄いものは、一語で呼ぶ)。
修飾語にはいくつかのパターンがある。
- 色 「あか」 「あお」 「みどり」 「しろ」など
- 大小 「おっきい」 「ちっちゃい」
- 形 「まる」 「しかく」 「さんかく」
- 所有者 「パパ」 「ママ」 「さく」
- その他 「あたらしい」←ちゃんと意味をわかっているもよう
初めは、「あか くるま」 とか、「ママ コップ」 とかいうように、語と語を単純に並べていたのだが、最近は「あかい くるま」 「ママ の コップ」のように、活用や助詞によってスムーズにつなげるときもある。(語の単純並列も、まだまだ見られる。)
でも、難しいよね。赤や青は、「赤い車」だけど、「緑い車」や「ピンクい車」とは言わないわけで。そういう感覚を、それほど意識的に教え込まれなくても生後わずか数年で自然に覚えていくのが、母語習得の大いなる不思議だ。第二外国語ならこうはいかないもんね。
「くるま あか」 とか、「コップ ママ」のような語順で言うことは、ほとんどない。
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この、「二語呼び」を始めたのは、つまり一時期はやや沈静傾向にあった「指さし呼び」に、再び精が出るということでもあった。たとえば、このあたりでは、ほとんどの日、上空を飛行機がよく通る。サクは1歳半前ぐらいから、その都度、指さしをするようになっていたのだが、発語には段階があって、
- 「おっ、おっ」
- 「ぶーん、て」(おそらく、私が「ぶーん、て飛んでったね」と言っていたのをマネしてた)
- 「き、たー」(「ひこーき、あった」の意?)
- 「ひこーき」 「ひこーき、たー」
という順で言うようになったあと、しばらく、いちいち注意を払わなくなっていた。それが、ここ最近は再び、通る都度、「おっきい ひこーき!」 「ちっちゃい ひこーき」と熱心に指をさす。格安航空会社が就航してラインが増えているのか、3−4分おきに飛んでくる(まじで!)ので、付き合うのも大変だw 新しい表現を覚えると、表現したい、伝えたいという意欲もアップするのかな。
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そして、サクがいま、発する三語文(以上)は、この、「修飾語を含んだ二語」プラスアルファ、の形が圧倒的に多い。
- 「みどり でんしゃ きた」
- 「ほら、おっきい ひこーき」
- 「みてみて、あお ふね」
- 「ママ コップ どーぞ」
などなど。
「○○が××を◆◆する」のような、英語で言うSVOの三語文は、まだまだ少ない。