葉月の八 / 「ミラクル・ボディ」のウサイン・ボルト
●8月某日: 全然眠たくなくて、ふとんの上で「しんかんせん!」とか「ジューキーズ!」とかいってはしゃぎまくってるサクに、「サクちゃん、しんかんせんもいいけどね、もう、おひるねしなきゃ。『おやすみなさーい』っていって、こうやって、目をつぶって、ねんねよー」と、手を合わせて枕にし、横になって目を閉じるしぐさをやってみせると、何かがツボにハマったらしく大ウケ。その後、10回くらいやらされた…(夜の寝かしつけでも10回くらいやった)。話しかけているときは、「うん、うん」といちいちタイミング良い相槌をうつのがかわいい。昨日夫がゴーヤをもらってきたので、夕食はゴーヤチャンプルにした。会社ビルのグリーンカーテンで収穫したとは思えないくらい、立派なゴーヤ。
夜、NHKスペシャル「ミラクルボディ」ウサイン・ボルト編を見る。以前放送されたものは見逃していた。再放送かと思ったら、オリンピックに関する映像を付加した再編集だったみたい。彼に脊柱側わん症の持病があることは、以前の放送を見た人のブログで知ったが、そのために、100mを走るときの左右の歩幅が20cmも違うというのにはびっくりした。トップアスリートとしては考えられないほどの偏りじゃないかと思う。アサファ・パウエルとのスタートの蹴り出しのフォームの違い(ボルトの方が醜い)にも。どちらも持病の影響によるもの。また、この病気では、走る(特に彼の苦手なスタートの)練習をすればするほど肉離れのリスクが高まる。それを回避するには、腰回りや足回り、それらを連携させるための、ものすごくハードな筋トレが欠かせない。「みんな僕が簡単に走っているとでも思ってるみたいだけど、死ぬほど練習してるんだ」と言ってる映像は、別の番組で見たんだったかな。
記者会見、「みんながボルトはもう駄目だ、と言ったときも、僕は自分を見放さなかった。自分を信じ続けた。だからこのロンドンオリンピックの金メダルにはすごく意味がある」という言葉に、ぐっとくる。
あと、ハイスピードカメラでの撮影のため、ユニフォームを脱いで走る彼の肉体にクラクラきた。「体を武器にしている人」のひとつの無駄もない筋肉は息をのむほど美しい。短距離選手のも、長距離選手のも、どっちもたまらない。そして私はどうも、黒い肌または褐色の肌、それも引き締まった体を流れる無数の汗・・・ていうのが大好きなんだ、と忽然と悟った。フェチ的に。自分も、そもそも地黒な上に、ランニングや子どもとの公園生活ですげー日焼けしてて、鏡で顔を見ると「あーあ」って思ったりもするんだけど、走ってるとき、この黒い腕に汗の玉が光ってるのを見て割と恍惚としてるもんな。肘下はさすがに、そんなにぜい肉もないから醜くないのよ。