葉月の五

●8月某日: 電車とバスを乗り継いで(サク大喜び)、福岡アジア美術館へ。過去の日記を読み返していて、そういえば子どもが生まれるまでは、年に1−2回は美術展を見に行ってたなーと思ってたところへ、友だちから「絵本ミュージアム」のことを聞いたので。開館すぐに入ったけど、もう親子連れでいっぱい! 国内外の絵本だけでなく、壁いっぱいに広がる大きな絵や、ペーパークラフトの作品群もあり、中に入って遊べるオブジェや積み木コーナー、スクリーンでの絵本アニメ(?)上映など体験型のコーナーも豊富。サクは滞在時間の半分以上は積み木コーナーにいたね。

私は、子ども向けとはいえ、久しぶりの美術館の雰囲気に軽く感動。出口のところには、日本各地で行われる美術展のポスターがわんさと貼ってあって、子どもを産んだばかりのころは、「こういうのとは、もう当分、縁がない生活なんだなあ」なんてブルーになることもあったけど、今はだいぶ違って、「いずれまた、こういう世界に」て感じ。子どもは育つのだ。子どもがいつでも親にまとわりついてる時期なんて、終わってしまえばほんの一瞬。それを寂しいとすら思う。ま、でも、身軽になったら身軽を楽しもう。もちろん、絵本の選び方について多大な示唆も受けた。

帰りは眠くなって「だっこ、だっこ」の嵐のサク。やっと帰宅し「さ、靴を脱いで」と言って買い物した荷物を冷蔵庫に収納して戻ると、なんと、玄関先で寝てた…。起きた後、昼ごはんはもりもり食べてしばらくはいつもどおり暴れてたんだけど、夕方からなんか動きが鈍ってきた。抱っこすると、熱い。38度半ばで、夜は食欲もなく、なんとかプリンを食べさせる。

(陸上以外の)五輪について、朝起きると、なでしこは米国に敗れ、銀メダルだったことがわかった。でも、試合を見た夫によると、「W杯の決勝よりもよほど互角に戦っていた」とのこと。試合終了後、ピッチに仰向けになって泣きじゃくる宮間選手の元に、かわるがわるいろんな選手がやってきて体を撫でるところ、それでも立ち上がれないところについに佐々木監督がやってきて声をかけ、よっこいしょ、と体を起してあげるところに泣ける。その数十分後の表彰式にはなでしこトレインで登場し、みんな笑顔満面、カメラに向かってピースの連発なんかしておどけまくってるんだけど、さらにその後、個別にインタビューを受けると、言葉に詰まって再び涙する選手も多くて、なんかまた泣ける。宮間選手が言った「最後は笑顔で終わりたかった」という気持ちも、「こんな素敵な仲間たちとのゲームはこれで最後」と思うとやっぱり泣ける気持ちも、どちらも偽らざる気持ちだろうと思う。飾らないなでしこたちが好き。試合後、ピッチで輪を作って、選手たちに向かって「すばらしい試合だった、君たちを誇らしく思う」と言ったという佐々木監督にも泣ける。

さて、オリンピックが盛り上がってる隙(?)に重要法案が通っているのはいつものことで、この日、消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法が参議院で可決、成立。自公民の合意によるもの、ただし民主には造反者が6人。会見で、マニフェストに明記していなかった増税を施行することを、野田総理、陳謝。