2012 ロンドンオリンピック: 8月11日【陸上競技】

●女子4×400mリレー決勝: ちょ、おまいら自重ww て言いたくなるほどの圧勝、アメリカ。今やアメリカ男子と競争しても彼女らが勝つんじゃないだろーか、つーぐらいの速さ。まーね、今大会400mの金(サンヤ・リチャーズ)&銅(トロッター)メダリストに、去年の世界選手権の400m銅メダリスト・アリソンまでもが加わったら、こーなる。解説者も、走る前から「これはもう、アメリカには作戦なんてないですね」と解説の匙を投げている(笑)。

そう、アリソンが4継に続いてマイルリレーにも登場! 200、4継(WR)、マイルと3冠を見事に達成! 個人100mでもファイナリストになり5位(自己新)という成績を残し、フル回転のロンドン五輪であった。てか、アリソンには「今シーズンはちょっと調子悪いですね〜」ってことがないのか。いつ、どの大会でも高位安定。今日の走りは「味がありますね〜」と解説に褒められてたけど、どういうことなのかもっと詳しく説明してほしかった、味って! 今日はポニーテールで輪っかを作った髪型でした〜ビジュアルも金メダル!! きゃいきゃい。

2位はロシア、3位はジャマイカで、まー順当な結果であった。

●女子走り高跳び決勝: クロアチアの美女ブランカ・ブラシッチが怪我で欠場したため、実力的にも、美の方面でも、(私の中で)一気に優勝候補ナンバーワンに躍り出た感のあるロシアのチチェロワが、そのとおり、ノーミスで試技を重ねてゆく。他に先んじて2m3を一発クリアしたときには勝利を確信したのか、自分でも驚きの良パフォーマンスだったのか、感極まって泣き出してしまってた。その後ふたりが同じ高さをクリアしたんだけど、続く2m5をただひとり決めて、完勝。

その瞬間も何度も絶叫してた。観客席のユコフとも抱き合ってた。これでロシアはハイジャンプ、アベック優勝。なんか・・・アベック優勝ってすごく死語っぽいけど、それに取ってかわれる今ドキの言い回しがアップデートされてないわ・・・。

2009ベルリン世界選手権(3位)のころは、「まじめな学級委員みたい」なんてイメージで見てたんだけど、いやー、この人、すごいガッツの持ち主だわ。だって、北京で銅メダルを獲ったあとに、子どもを産んで、それで去年のテグ世界選手権で優勝して、今回、悲願の五輪女王に。えーと、テグのときも心から思ったんですが、その腹のどこに赤ちゃんが入っていたんですか…? 

2位のアメリカ、バレットは21歳の新鋭。最後に2m5を失敗してうずくまり続けてるのを、ベテランのベイティア選手だったかな、優しく肩をたたいて声をかけてあげると、笑顔で応えて立ち上がった。初めてのオリンピックで自己新。すげー才能だよ。

●男子やり投げ決勝: ディーン元気は3投終わったところで10位になり、ベスト8以上が進める後半の3投は許されず。3投だけだとあっという間に終わってしまうオリンピックの決勝だけど、敗退が決まると立ち上がり、スタジアムをいつまでも見つめているディーンが印象的だった。その後のインタビューの様子を見ても、なんかこう、他の日本選手とはちょっとメンタル的に違うというか…良い意味で、「背負ってる」感があまり感じられなくて、ゆうゆうとしてる。ま、それは私の勝手な感想だけれども。為末は、彼のことを「陸上界の宝」と言っていた。「今はとにかく試合の経験を積むこと。それがまた彼を強くする」。

為末さん、フジだけじゃなく、今日の放送担当、TBSにも出てた。解説者はすべて局を横断して出てるけど(朝原、増田、小山、山崎、木越)、為末も同じ扱いなんだろうか? てか、中居くん、金曜夜のMステに出てたよね・・・? 終わってすぐ飛んだの・・・?

おっと閑話休題。優勝争いは意外な展開に。1位ウォルコット(トバゴ)、2位ピャトニツヤ(ウクライナ)、3位ルースカネン(フィンランド)って、全員知らないよー! ここも新時代か。ウォルコットは19歳、初めてのオリンピックで自己新を更新して優勝。確かに、85mに満たずに優勝というのは低調かもしれないけど、並みいる強豪たちがそろってそれに届かなかったわけだからねえ。3連覇のかかったイケメン・トルキルドセンは、最終投てきを前にして、「こういう大舞台、最後の一発しかない、というところでの逆転を、彼は何度も経験しています」と解説されるほどのイケメンなんだけど、6位。ピトカマキは5位。ベゼリーは4位だった。

●男子5000m決勝: なんとファラーが優勝し、1万と5000の2冠に! や、「なんと」ってのは失礼だよね、去年のテグでも5000を制し、1万も2位だったんだもん。この人は今、トラック長距離で疑いもなく実力者なんだな。地元イギリス選手の優勝に、当然ながらスタジアムはすごい盛り上がりだった。2位のゲブレメスケルは王国エチオピアの新星といったところ、テグでもこの距離3位だった。ケネニサ・ベケレはこの種目、エントリーしてなかったんだね。

●女子800m決勝: 2009年ベルリン世界選手権で優勝しながら、その後は思わしくない成績の続いていたケニアのジェリモが今シーズン完全復活し、悲願の戴冠へ、最早めに先頭に立つ。ああ、でも、最後は力が残っていなかった。去年のテグを制したロシアのサビノワがスパートをかけると楽々と差し、最後は大差でゴール。

気になったのは南アのセメーニャですよ。1周目は一番後方を走り、2周目の4コーナーあたりからスパートをかけ、バテる選手たちを悠然と抜いて2位に入ったんだけど…。それでもずいぶん余力があるように見えてしまったのだ。彼女の場合、ぶっちぎりで優勝してしまうと、また世間が喧しくなる可能性が高いから、テグに続いて“わざと”栄冠は他に譲っているように見える…これは穿ちすぎでしょうか。や、私は、彼女が女装してるだなんて思ってるわけじゃない。彼女はまちがいなく女子として育ったわけだし、精密な検査も受けさせられたはずだ。それをもってしてもなお、人体には解明できない不可思議があるんじゃないか、と。であれば彼女は被害者。そして「ベルリンのあとのような狂騒にさらされるのならば、1位じゃなくていい、2位でいい」と思ったとしてもまったく不思議はない。…ま、私がいくら想像しても詮ないことではある。

●男子4×100mリレー: 日本、堂々の4レーン! 内でも外でもない! すげー! それだけで興奮する。1走が紹介されると、キリッとひきしまった顔を少し崩して笑みを見せた山縣くん。それを見て「わたしのほうが緊張してます」と解説の朝原さん。わたくしも緊張…! ブレークはすっかり自分のモノにしたゾンビポーズ。もはや、ブレークを見ると反射的に団十郎が浮かぶようになった・・・。

日本は、後半、固くなったようだね。それが世界で決勝を走るということなんだろうな。4人ともすごく悔しそうだったから今後にはますます期待できる。でも、4走の飯塚くんだけちょっと明るかった。「いい経験しました」とか言って。何度か見ただけで勝手にキャラを決めてしまうのはよくないんだけど、彼、やっぱりいいキャラクターだ。

レースは当然アメリカとジャマイカの一騎打ちで、2−3のバトンが渡るのはほぼ同時だったんだけど、ブレークがコーナーをコーナーじゃないみたいな速度でまわってボルトへバトンパス。てか、ジャマイカ、バトン渡すのもうまいな! こうなると勝負はついてしまう。ボルト、ぐんぐん伸びて、ぬ、ぬぬっ出たぁーワールドレコードだ!!! 「本気でフィニッシュしてくれましたね」って朝原さんの解説、絶対おかしいのに正しいww  いやー「伝説の完結」ってフレーズが、1ミリも盛ってないことに。アメリカもナショナルレコード更新。盛りあがった。マイルじゃなくて4継をラストにもってきたかいがあった、てとこだろうか。

そう、この種目をもって、トラック&フィールドの全競技は終了。水泳もそうなんだろうけど、リレーの決勝って、さみしさもあり、だからこそ盛りあがるってのもあるんだよね。うー、今は祭りのあと。さみしい。さみしいぞ。