文月の九 / タモリ@フジ27時間テレビ

●7月某日: 6時すぎ、突如として鳴り響く非常ベルに起こされる。こないだ、新聞で、「正統性の偏見」とかいう学術用語について読んだばかりだったので、胸がドキドキ。新聞いわく、有事に際し、人はどうしても「こんなことが起こるわけはない」「危険などない普段どおりがあるべき姿」「自分に限って」という思考に走ってしまい、「危険かも=逃げなきゃ!」という行動に結びつかないそうだ。火の手や煙を見てさえ、人は、火だるまになる自分の姿を想像できないものらしい。そう言われると、すごく納得できる。果たして、夫と窓や玄関からくまなくチェックしたが、火も煙も出ていない。マンションのほかの住人たちも出てきているが、火の気はないようす。ふー、怖かった。ちなみに、すんごい音でしたが、サクはちっっっっっとも起きることなく熟睡し通しだった。

さて、今日はなんといっても27時間テレビ! タモさんがやるっていうのですごく楽しみにしてた。結論。もう毎年タモさんがやってくれてもいいです。すごい満足。面白かった。ペケポン、ネプリーグにビストロ、めちゃイケ、視聴者が送った「いいとも」映像たち、マラソンゴール、フィナーレ…。「清盛」を録画してまで、かなう限り、リアルタイムで見た(夜中、録画すればよかったぁぁぁぁ)。

中心にタモリがいるからこその「団結」が見られたなあ、という感じ。タモさんは声高に叫んだり、リーダーシップをとったりすることなく、いつもどおり淡々としてる。タモさんて、ほんと孤高の人だ。ここまでやってきたのには、その孤高さゆえだと思う。ムラがないし、自分の領域(趣味)を大事にしてるし、毎日生放送をするため、体力にもすごく気を配ってる。好き嫌いや、芸風が合う・合わないは別として、そんなタモさんに、どんな大物も敬意をもってる感じがしたし、中居くんをはじめとする、ふだんからタモさんと一緒にやってるいいともメンバーには、(こっそりと)支えよう、労ろう、ってしてる感じがした。

放送中、一睡もせず、また、「消化に要するエネルギーを節約するため」という理論で、何ひとつ食物を口にしなかったタモさん。草なぎくんがタモさんへの思いを語る感動的なVTRを見ても、草なぎくんがゴールして泣いても、つねに目が乾いていたタモさん。フィナーレでも感情をあらわにすることはまったくなく、淡々と(でも、きっとそこにはタモさんの誠意がこもってる)視聴者へのお礼を述べるタモさん。すべてにおいてタモリ流を貫いてて、すごくよかった。各コーナー、ちょっとタモさんの接待みたくなってる部分があっても全然いい。むしろ、1年に1度くらい、タモさんは公共の電波を使って堂々と接待されるべき! ああ、自分、タモさんのこと好きすぎる…(夫は、「理解できない」というような顔をしている。)