『カエルの王女さま』終わりました

感想は途切れてたけど完走しました! 

いやはや。ストーリーについては、まあ残念感はたっぷりでしたわよね。小難しいこと考えず気楽に見せるものを目指していたにしても、いっこでいいから予想の斜め上をいってほしかったというか、もうちょっと大人が見るに堪えるものをお願いしたかった。なんせ同時並行で「リーガル・ハイ」見てますからね〜。

最終回にあまみんの独唱がなかったのは、作り手の矜持、ストーリー上の流れとして…だったんだろうなとは思う。「倉坂澪というスターに頼らなくても輝けるようになったシャンソンズ」という。しかし視聴者としては断然、あまみんの美声よもう一度、でしたから。そこを敢えて汲まない必要性ってあるか?! ぶつぶつ。

このドラマのメインディッシュたるべき歌も、お寒いな、ってこともありましてね。何しろアフレコ丸出しでライブ感がなかったのがなー。あと、振付もなー。まあ、あれが連続ドラマでああいうことやる壁なんだろうな(越えて欲しかったけど)。

でも、良かったな、と思うのもあったよ。

  • もちろん、第1話、あまみんがステージを抱きしめながら歌った「あの鐘を鳴らすのはあなた」! あの1曲でこのドラマに対する期待はかなり高まったんだけどな〜。
  • 2話、「浪漫飛行」。春の良き日、着物で歌う石田ゆり子の絵が良かった。
  • 4話の百恵ちゃん尽くし。あまみん独唱「This is my trial」。この歌知らなかった。ぐっときた。しかし10代でこの歌を歌った百恵ちゃんはやっぱすげーな。
  • 同じく4話は「プレイバックPart2」もよかった。大島優子ちゃんがかっこよかったから。
  • 5話「Dream Fighter」。Perfumeの歌だって途中まで気づかないくらいだった、素敵なアレンジだった。
  • 6話「何度でも」。あまみん抜きのシャンソンズが、あまみんを呼び戻すために歌った歌。妙な振りつけは無しで輪になったスタンドマイクで歌う、って図。これでいいのよ、と思ったな。曲の良さがシンプルに伝わった。
  • 8話「見上げてごらん夜の星を」あまみんと久野綾希子のデュエット。宝塚と劇団四季のトップスター夢の競演。久野さんてこのドラマで初めて知ったんだけどとてもキュートな方ですね。
  • 10話「ハピネス」。メンバーが町のあちこちに別れて、それぞれ町民を惹きつけながら歌ってる、てシチュエーションと歌がよく合ってた。
  • 1話と最終話の「風になりたい」。「あの鐘」と並んでこのドラマの核だったなって感じがする。あらためて、本当に風が吹いているような歌だよね。サビの部分の気持ちよさと、「何ひとついいことなかったこの町で」の切なさとのコントラストに、ぐっとくる。

最終話で大島優子ちゃんがテレビ局のおっさんを丸めこんでエッヘッヘ、みたいな顔をしてるとこがあったんだけど、ああいういろんな表情がもっと見たかったなと思う。このドラマを見てたらほんとに普通の子みたいなんだけど、やっぱりむちゃくちゃかわいいな、旬だなと思って見てました。あっちゃん推しの私なのに思わず浮気しそうに。

小泉孝太郎のダメ男ぶりに萌え萌えでした〜〜〜。最終回も、ミッキー・カーチス相手に一席ぶつところの頼りなさといい(すごくかっこいいはずの場面なんだけど頼りなさがにじみでる演技がツボすぎる)、横腹痛くなって押さえながらヨロヨロ走ってきて、ぜえぜえしながら一徳に「遅くなりました」と詫びたあと、重機の中の三男に向かって「あぶないよ、下がって」と天然発言するといい、ああ、思わずリピート。おかしいな、私、こーゆーのに萌えるタイプじゃないはずなんだけどな…。

ダメ男ながらもなぜか最後までおいしかった小泉孝太郎に比して、全編、玉鉄さん@ゼルエルの罰ゲームっぷりが半端なかった。せめてシャンソンズのギタリストという位置におさめておけばいいものを、玉鉄にまで歌って踊らすこのドラマの鬼畜っぷり。誰得なの。最終回だって、石田ゆり子に向かって「サンキューな。ここにいさせてくれて」なんて言う北極点並みに寒いセリフ、寒いシーンが…。でも、玉鉄さんて何だか馬鹿にする気にならない役者です。これからも私はなにげに彼を応援するだろう。

オファーがあった段階で役柄のどこいらへんまでの説明があったのかはわからんが、玉鉄さんがこのドラマを受けたのって、あまみん主役だからってのも大きいんじゃないかな、と邪推する。ま、見てるほうとしては、あまみん×玉鉄のタッグはもう目に慣れ過ぎててどーかと思ったりもするのだが。

公式サイトの各キャストのインタビューなんか見ても(って見てる私はなんだかんだ言うてこのドラマが好きなんじゃねーか)、あまみん絶賛の声がすごい。や、まあ、公式サイトでさんざん貶められる主役ってのもまずいないでしょーが。

あまみんって見るからに姐御肌で、役柄もそういうのが多くて、演技も非常にストレート。あの押し出しの強さがどーにも苦手、て人がいるのもわかるが、実際に一緒に仕事をすると、その凄さにみんな打たれるんだろうなと思う。

「尊敬」「感動」「細やかな気配りに涙が出た」「器が大きい」「主演として特別な人」などなど、とても社交辞令とは思えない褒め言葉が並ぶ。具体的なエピソードにも事欠かない。フジの番宣番組(タモさんと中居くん司会で花見っぽくみんなで飲んでたやつ)での仕事っぷりを見ててもそれはわかるよね。

単純に分かりやすく言えば、馬力がある、現場を引っ張る力がある、ということでしょうね。主役としての心構え、ということもそうですけど、出演者を引っ張るということだけではなく、番組スタッフを含めて、ドラマそのものを引っ張る力があるんだな、と。普通の人とは違うエネルギーを持っていると思います。

岸辺一徳をしてここまで言わしめるあまみんよ(詠嘆)。それはやっぱり宝塚という若い女性ばかりの劇団で例を見ないほど若くして(つまり先輩もたくさんいる中で)出世していく中で作品を作っていったからこそ経験もあるだろうし、また、そういう出世をさせるほどの「大きさ」の素質や、努力できる才能にそもそもあふれている人なんだろうとも思う。

そもそもこのドラマはあまみんありきの企画。ぶっちゃけ、40代半ばの女優がこんなに単独でどどーんと矢面に立って作られる連続ドラマはそう多くない。視聴者的には、もっと若くてピチピチしてる女優や男優がうふふあははしてるドラマのほうが需要があったりするかもしれない。でも、あまみんは主演としての安定感がすごいんだと思う。スタッフ・共演者・スポンサーにものすごい信頼を得てるんだろうなと。そして私はそういうあまみんが好きだ。

今までいろんなドラマや映画に出てきたあまみんで、その中には名作もいくつかあるけど、宝塚時代のあまみんを見てた者にとって、この(それほど出来の良くない)ドラマはなんとなく特別だったなと感じる。宝塚を辞めて17,8年も経って、こんなドラマが作られるなんて、その時点であまみんが「テレビドラマ界でどういう存在か」ってのがわかるってなもんだし、(それほど出来の良くない)脚本でも迷いなく演技し、てらいなく歌って踊るあまみんを見てると感慨深いもんがありました。なんかもうちょっとしっかりした作りで、かっこよく歌って踊ってくれるあまみんがいつか見たいものだ。難しいだろうが。