卯月の三

●4月某日: サク、カーブの入ったすべり台にふとチャレンジし、1回でクリア。そこからはとり憑かれたようにカーブのほうをリピート。砂場で遊んでいると、ひとりの女の子が寄ってきた。「何歳?」と聞くと「4さーい」。「4歳かー幼稚園生だね」「うん、○○幼稚園」。お兄ちゃんも同じ幼稚園に通っていて、彼は園でいちばん背が高いとのこと。「うちねー、○○(名字)って言うんだよ。おにいちゃんはしゅんたろう。パパはたかし。ママはパパのこと、パパさんって呼ぶよ」へぇぇぇ。「うちねー、犬とか猫は飼ってないの」「へぇー。マンションなのかな?」「ううん。マンションじゃない。ただの、いっこの、家。」そ、それは、“ただの”なんて形容はふさわしくない、戸建の家ではないか〜! 通っている幼稚園といい、着せられてる服といい、向こうでママ友と話し込んでいるお母さんのいでたちといい、オマエ、いいとこのお嬢ちゃんだな! 「もしかして、家の中に階段ある?」「あるよー。いっこだけ」二階建! そこで上空を飛ぶ飛行機をいつものようにサクが指さした。「あたしねー、ひこうきのったことあるよ」「へぇ、どこに行ったの?」「東京〜」「へぇぇ」「あたしねー、しまじろうのDVDが好き」ほぉぉ、こどもちゃれんじもやっとるのね。「コッシー(NHKみいつけた!」のキャラクター。声はサバンナ高橋)は?見る?」「うん。でもねー、ママが、見ちゃだめっていうときもある」な、なぬ〜! 

かように、砂場でおしゃまな女の子に話しかけるのに最近凝っている私である。たいていみんな自分から個人情報をぺらぺらとしゃべってくれる(悪趣味)。サクもそのうち、あちこちで言ってまわるんだろうな〜。「うちねー、ママよりパパのほうが料理うまいの」とか「ママ、だいたい毎日ビール飲んでる」とかさ、ハハハ。そうそう、4,5歳の子には、保坂和志の小説を思い出して、「葉っぱを半分に、そのまた半分に…てちぎっていくとどうなる?」って、実演しながら質問してみることもあるよ。今のところ、望む答えは得られていない。前田敦子、総選挙辞退を発表。

●4月某日: 赤子って、どーしてあんなに、目覚めた瞬間にくるっと腰をひねって起き上がるのか。ねぼけながらむくりと起き上がり、半目の状態で私に突進してパイにむしゃぶりついてくるサク。もう、夜中や明け方に目覚めても、泣いたりしない。みずからパイを獲得するから…。そしてそのまま、頭をパイの上に置いて寝る。重っ。きのうの嵐をものともせずに、桜が満開を誇っているのに驚く。今日は寒い。スーパーでばったり会ったらしいおばさま同士が、「寒いわね」「花冷えね」とあいさつを交わしている。夜ごはんのメインはステーキ。白ワインもあけた。平日なのにどうしてかって、今日は私たちの入籍記念日だったからです。私たちは、2008年の2/29、つまり今年の1回前の閏日に同居を始め、約1カ月あまりあとに入籍し、そのまた3ヶ月後に挙式披露宴を行ったのであります。