3/8 綾野剛@スタジオパークからこんにちは

国会中継で放送予定が二度流れたが、完全に結果オーライ。度重なる延期で互いに恐縮しあった周防サイドとNHKサイド(特に近田アナ)は、国会という共通の敵を前に共闘関係を築いたもよう。テンションが噛み合わないまま生放送が進んでいくことも珍しくない当番組において、異例ともいえる、初登場ながらの和やかさだった。その場でバナナをジューサーにかけて生ジュースを作る、なんて茶番、いや、微笑ましい一幕だって、見ていて少しもきまり悪くなく、むしろきゅんきゅんしちゃったもんね。

口下手、シャイなイメージを勝手に持っていたが、なかなか雄弁だった。雄弁というか、積極的な印象。

生放送でのトークは初めてということで緊張しているとは言うものの、今回の役で彼にとってかつてないほど大きな反響を得、今こそ世に出る時機だという意気込みもあったりしたんだろうか。…というと、なんだか野心的な物言いになるんだけど、「自分の言葉で自分の思いを伝える」機会に初めて恵まれた喜び、とでもいうようなものが、そこはかとなく漂っている気がしたのだ。

役者・綾野剛が誕生するまでの来歴や、仕事に対する取組み方、育ててくれた人々への感謝など、謙虚に、しかし静かな熱意をもって語る様子は文句なしに素敵でありました。穏やかなのにセクシー、知的だけどいたずら。やーん、もう!

その姿に、なんとなく、ゲゲゲで一気に脚光を浴びたころの向井理を思い出した。

タイプは違う二人だけど、スタパあさイチで初めて生トークにのぞんでいたころの雰囲気には共通のものがある。魅力的だった役柄のイメージに、もう成人していてそれなりの下積みを経てきたからこその落ち着きや思慮深さが素敵に加味され、けれど同時に、圧倒的に清新。手垢がついていないのだ。

今回で言えば、デビュー作となった仮面ライダーの監督さんが寄せたメッセージを聞いて、素で驚き、感激するリアクションとかね。まったくスレてない。

これが、お茶の間の人気者になればなるほど、謎なドラマで主演を張ったり、番宣のために、しゃべくりとかおしゃれイズムとかぴったんこカンカンとか、はては帰れま10とかどや顔サミットとかにまで出演させられてイジられまくり、本人も防御壁を作れば、お茶の間も「イメージが変わったわ」なんて決めつけたりして、蜜月は終わっていくのよね。。。はかないわ。。。(ん?そういえば、何かの映画の宣伝のとき、その他大勢のひとりとして、帰れま10mに出ていたような…? クローズZERO?かな?)

ともかく、その辺り、綾野さんサイドはこれからどういう路線でやっていくのかわかんないけど、作品とか露出とかにはぜひぜひこだわっていただきたい。どうか世間に食い散らかされないで…。

それにしても、鬼才とすら言いたくなるくらいに凄い脚本を書いた渡辺あやをして、脱帽せしめた綾野さんの実力は本物ですたい! 以下、彼女が番組に寄せたコメント。

ハンサムすぎる。綾野さんのあまりの存在感の強さに、おそらくは現場全体も夢中になってしまったと思われ、彼の出演回に限っては、私が脚本に組んでおいたはずの構成のバランスが見事にふっとんでしまっているのが辛いやら怖いやらでした。

でもそのように作品が自分のコントロールを越えて暴走してしまうことこそ、創作の醍醐味なんだとも感じました。

周防さんが登場したあの3週間全部、綾野さんに持って行かれたような気がして、敗北感でいっぱいなのですが、それも含めて周防龍一は私にとって本当に面白い体験でした。綾野さんにとってもそうだといいな、と思います。

さあ、大河にはいつ出ますか? まさか来年ですか? うふふふふ