ことば・1
◆満1歳7か月
・おいしー(おいしい)
・んまー(うまい)
・ぱーい(乾杯)
・あいたー(open)
・あったー(有った、見つけた)
・ばっばー(バイバイ)
・あい(ちょうだい、どうぞ)
・ぽー(ぽい、と捨てる、ぽーん、と投げる)
・たっち (立つこと)
・たっち (ハイタッチを求めて)
・あっちっち(熱いもの)
・あーとぅ (ありがとう)
・あん、ぱん、ぱ…(アンパンマン)
・ぶっぶー(バス、車)
・ぽっぽ(鳩)
◆満1歳8か月
・んまーい(うまい。「んまー」から調音が進化)
・ぱっぱーい(乾杯。「ぱーい」から調音が進化)
・ご、と、た、て、た(ごちそうさまでした)
・しっぱー、とー!(出発進行、の意。拳を振り上げながら。「行くよ〜」と言われたり、歩き出しながらなど、言う。発車するバスや車を見たときにも。)
・た、と、た、と (がたんごとん、の意)
・ばっばーい(バイバイ。「ばっばー」から調音が進化)
・お、ひ、ぱぃ(おしまい)
・ぽ、い、た(もう1回)
・たっと(抱っこ)
・おっ、ぱい(おっぱい)
・ぽん、ぽん(ぴょんぴょん=うさぎ)
・ぱおー(パオーン=象)
・め(目)
・て、て(手)
・ばぁーあーあ(バナナ)
・おーいーい(おにぎり)
◆
・口にし始めたばかりの語彙は、無声音だったり、とても小さめの声で言う。だんだん慣れてくるにしたがって大きな声で言えるように。
・多音節の語彙を1音1音区切るように言う。
ex: お、ひ、ぱぃ(おしまい)。おーいーい(おにぎり)
・[m]音→[p]音
・[k]音→[t]音あるいは[p]音 での代用
ex: お、ひ、ぱぃ(おしまい)。ぽ、い、た(もう一回)、たっと(抱っこ)、ぱっぱーい(乾杯)
軟口蓋音にあたる[k]の発音が難しいのはわかるが、両唇音である[m]は赤ちゃんが最初期から発音しやすいものだという意識があったので、代用が現れるのは不思議に思える。しかし思えば、サクは「まんまんまー」的な喃語もあまり言わなかった。「ママ」も「まんま(ごはん)」もまだ言わないし、個人的に苦手なのか?
・ただし、「美味しい」を示す「んまー」や、「め=目」は、はっきりと[m]音を言う。確かに、「おしまい」や「もういっかい」に比べると発生の負担は少ないような…。複雑な単語の途中で出てくる[m]より、「んまー」や「め」の[m]のほうが言いやすそうなのは確か。
・親が言うのをオウム返しにしていた状態から、先取りして言うように
ex: 熱いお茶やお味噌汁を机に置きながら、「あっちっちだからね!」と注意を促していると、「あっちっちー」と答えていたのが、湯気が立つものを見ると(笛を吹いたやかんに近付いたりして)こちらが言う前に、「あっちっちー」
・誤用*1。「あーとぅ=ありがとう」を、自分がほしいものを手渡してもらったとき(正用)だけでなく、自分が何か(特に、自分にとっていいもの)を手渡してあげたときにも言う。
・誤用。「あった」を、発見でなく、ものごとの「変化」に対しても使う。おもちゃを自分でポイと投げて、投げたおもちゃを指さして「あった」など。
・言いにくい音は代用したり省略したりしているが、音節(syllable)の数は基本的に同じ
ex: ごち・そう・さま・でし・た → ご・と・た・て・た
しゅっ・ぱつ・しんこう → しっぱー・とー
バ・ナ・ナ → ばぁー・あー・あ (絵本を指さしながら、私が「ばーなーな」という感じで呼ぶことが多かったので、伸ばしがちに言うのかも?)
*1:誤用を記録していくのは、もちろん揚げ足ではない。誤用は、言語習得の過程における子ども自身の試行錯誤の結果であり、とても大事なものなのです。俺っちなんて、子どもの誤用を集めて卒論にしたんだぜ。