フィギュアスケート全日本選手権2011
順位を見れば非常に穏当なところにおさまった印象があるけれども、試合はそれ全体、たいへんエキサイティングでございました。全日本すげー。日本のフィギュアスケーターズ、すんげー!
男子。まさかの(失礼)「高橋、SPで4回転をおりる、しかも3回転もついちゃった!」という素晴らしい事件で幕をあけて、96点なんて異次元の点数がついたもんだから、それがすっかり話題の中心になった。もちろん私も興奮したし、それでフリーで3コケしちゃうとこも含めて高橋くん大好きなんですけど、なにげに小塚!
GPファイナルに出なかった分、かなり練習できたんだろう、滑り込まれた両プログラムはシーズン序盤とは比べ物にならないほど良くなって来てる! SPのほうなんか「こんなにかっこよかったかしら〜」とついつい何度も録画をリピート。スムースかつ端整、という従来の彼の資質に、SPは華やかさ、FSは込められた思いというものが加わっている。
羽生くんのロミオは今季もう何試合目だろうってくらいなのに、常にテンションが沸騰してる。ストレートラインステップの入り口(?)での、あの、顔!雄叫び! 17才であそこまでの情熱をもてること自体、すごいと思うのに、それをああも迷い無く剥き出しにできるって、何なの。
あと、エキシビションでの町田樹のプログラムに痺れました。クイーンの曲に少しも見劣りしない大きな滑りが気持ちよく、「冴えないボクだけどやっちゃうもんね!」て感じの筋立ても素敵で、こんなこともする人なんだ〜、と。
エキシビションといえば、なぜか(笑)わざわざやってきてたPチャンのEXプログラム「MANISH BOY」むちゃくちゃかっこいいじゃないですか! あんな、つるーつるーと滑る人が、まさかマディ・ウォーターズなんて選んでくるとはね。しかも、かなり凝ったアレンジにしっかり振り付けをつけて、ねちっこさといやらしさを出しながら滑ってくれた。うますぎるから、難しいことも難しく見えないのがこの人のすごさでもあり不幸な点でもあり。顔の「努力の影」みたいなのをまったく背負ってない感じも、最近、逆に好き。
女子。真央さんおめでとう、丁寧な演技、演技終了直後の表情(無事に終わってほっとした表情でもあり、スケートの世界から現実に戻らなければならない悲しみがほの見えるようでもあり)、キスクラでジャンプについて先生たちに熱く語っている姿といい、しっかり喋ろうしっかり喋らなきゃというふうの演技後のインタビューといい、やっぱり平静には見られなかった。でも、ひたむきに打ち込めるもの、まっすぐに信じる道をもっているのが彼女の強さであり、こんなときには救いになったり支えになったりするんじゃないかなと思う。
さすがに本人を中傷するような声はどこにもないようだけれど、こんなときだから真央ちゃんがんばって、というのも、みんないろいろありつつがんばって出てくるスポーツの試合なんだからあんまりマオマオ言うなよ、というのも、どっちを聞いてるのもなんかつらかったなあ。どっちの主張にしても真央さんの名前が入ってるのがね・・・なんか、この人の背負ってるものってどんだけ重いんだろうと思ってね。
さておき、出てくる人、出てくる人、みんなうまいってどういうことなんでしょうね、女子は。宮原知子、佐藤未生、庄司理紗、西野友毬、大葉雅、鈴木春奈・・・全日本でしか見るチャンスがないなんて酷ってもんよ!と言いたくなる、いずれ劣らぬ才能たち。誰が次代のエースになるのか、ええもうさっぱりわかりません。あんな若いのに、なんか、みんな音楽に負けてないんだよね。お姉さんたちもうかうかしてられませんな。