霜月の六

●11月某日: 午前中、育児サロン。ゆうに30分はもじもじして、それからおもむろに気ままに遊び始める。一番はしゃぐのは、時間が終わり帰るべく靴を履いて、校庭へ出たとき。砂場にダイブし、いいかげん帰ろうとベビーカーに乗せようとすると全身全霊で抗議・・・。小学校の空いた一室を借りたこの場、子どもたちはさながら動物園の動物のように遊びまわっているが、その実、育児“サロン”という名がぴったりだなーと思う。ここでさまざまな情報を得(時に披露し)、世間話や噂話に興じて、私も立派なミミドシママになりつつあるぜぃ。夜、社内の試験を控えた夫がダイニングテーブルで勉強していると、サクが猛烈アピール。無事、膝の上に乗せてもらい、紙とボールペンを与えられて、ご満悦である。あとで見たら夫の手の甲がインクだらけになっていた。『プロフェッショナル仕事の流儀』で本田圭佑。その後の『アスリートの魂』で小塚崇彦。うーん満足。本田って、喋りを聞いてると、ビッグマウスっていうより狩野英孝並みに根拠レスの不思議ちゃんって感じがするのだが、やってることはものすごい。怪我からの復帰を心待ちにしています。

●11月某日: おむつを替えてて気づいた。息子の息子さんが赤い・・・ちょっと腫れてる? モノの本などで調べたところ、可能性があるのは尿道炎か。本人はいたって元気・・・なのだが、元気すぎてママぐったりだよ・・・。うちの夫はこういうとき、「俺だって仕事して疲れて帰ってきてんだよ!」みたいな感情はおくびにも出さず労わってくれる人格者である。言われるがままに20分ほど横になってたら、やさぐれ度合もかなり改善され、しかもホークスの旗色が良くなってきたのでむしろ気分上々になってきた。景気づけに缶ビール。やったーやっと勝った! 試合後、夫が冷蔵庫の中身を見つくろい、「明日の昼、食べな」と言ってチャーハンを作ってくれた。ありがたやー、ありがたや。

●11月某日: 午前中、校区の「親子教室」なるものへ。今日は人形劇やパネルシアターが催される。絵本「はらぺこあおむし」の人形実演(?)がかわいかった。サクさんは身を乗り出すように舞台を見つめるそぶりも見せるものの、基本、私の膝から動かず。一時期の無頼ぶりは最近なりをひそめて、すっかり恥ずかしがり屋さんである。私が一番おもしろかったのは、人形劇サークルの皆さんがハケたあと、いつも司会進行役をつとめる女性の方が、「突然ですが、ここの公民館からもソフトバンク・ホークスにエールを送りましょう!」と、ママたちにソフトバンクの応援歌斉唱(むろんアカペラ)を強要した(笑)とき。いつもドームの外野席にもっていっているという、ハリー・ホークくんの大きな手作り人形(すごくよくできている)を振りかざしながら彼女は歌い、歌い終わったあと「かなり私的な感情が入ってしまいましたが」と自分でオチをつけるのも良かった。息子さんの息子さんは自浄作用がはたらいたのか赤みがすっかり引いたので病院には行かず。ホークス、辛くも逃げ切って2勝2敗のタイに持ち込む。ノーアウト満塁という絶体絶命の場面で登場し、たった11球で打者3人を葬った森福がかっこよすぎた!