『江』 龍子の部屋

放送開始から9ヶ月以上の月日を費やして、ようやっと気づいた。

『江』において、もっとも面白いのは「龍子の部屋」だということに!!

それは公式サイトのコンテンツ。鈴木砂羽演じる京極龍子が、時に優雅に、時に情熱的に、時に涙ながらに、今後の本編の見どころを紹介してくれる各2分ほどのムービーで、現在、其の九までがアップされている。

もともと、本編序盤における、この京極龍子という存在について、私はぷんぷんだった。北政所とも淀の方とも対立するでもなく、秀吉との絡みもあまりなく、名門京極家の令嬢としての矜持も感じられず、鷹揚にかまえているといえばいいが、ただのぬるいボケキャラ。これが鈴木砂羽の無駄遣いでなくて、なんであろうか!?

・・・・って、あ〜〜〜ごめんなさい。私が浅はかでした。

そこはやはり砂羽姉さんで、少ない描写ながら確実にキャラを立たせてゆき、この(いろんな意味で疲れる)ドラマにおいて、今では出るたび出るたび私を癒してくれるのである。癒しについては、しばらくは水川あさみの専売特許だったんだけど、彼女=お初ちゃんも、最近は、ほら、いろいろと大変だから。

そして、ちまちましく本編のみにとどまっている砂羽姉さんではない! 「龍子の部屋」でこそ、彼女はもっとも輝きを放っているのである! てか、むしろ、そもそも「龍子の部屋」ありきでのキャスティングですよね? 

ちなみに、これ書いてる現在、最新版(其の九)の部屋には、第36話から出演の武田真治くんが遊びに来てるんですが、彼もいい味出してました。大野治長役なんだから、たぶん本編ではシリアス一辺倒なはずだし、家康の深謀熟慮に屈する青二才として描かれるのかもしれない。その憂さは、龍子ねーさんの部屋で、存分に晴らすがよいぞ!!

でさ、龍子の部屋で流される予告VTRみたいなのを見たら、『江』もずいぶん面白そうに見えるんだよね。これは、『天地人』でも同様だったのだが。それで、実際に本編を見たら、抜粋されたシーンとシーンとの間のスッカスカさに驚愕するんだよなあ・・・。