『江』 第36話「男の覚悟」

相変わらず、すっとぼけた脚本。

好きな女のために戦をした男、高野山にのぼって降りてこない男、妻としっくりいってないときにうっかり女中を孕ませてしまったけどそれはなかったことにしてもう二度としないと誓う男など、いろんな男の覚悟が描かれたってことなんだろうけどさ〜〜〜。

これでは、三成も草葉の陰で泣いておろう。萩原聖人さんおつかれさまでした。8ヶ月近くにわたる、この忍従の日々は、きっと、別の作品で報われるはず!

回数だけはむやみに重ねて三十数話にもなっているのに、お話としての蓄積が薄いから、向井さんがふるふる震えながら「それが戦なら、私はまっぴらごめんです・・・!」とか熱弁しても、「どうしたどうした、そんなに熱くなっちゃって」というふうにしか見られないわけよ。全話見てるのに! 

大河にはつきものの浮気エピソードも、現代的感覚と、「暮らしさえ立てばいいだろ」的な処理とがものすごく矛盾してて、誰に共感してよいものかさっぱりわかりまへ〜ん。今回は、懐妊した女中について

大姥局(加賀まりこ): 「お心あたりは」
秀忠(向井理) :「ある(キリッ」
のやりとりが一番おもしろかった。むだにキリッとしてて。

側室はもたぬと宣言するくだりでの殺し文句は、放送の「私は年上のおなごが好きなのだな。・・・・そなたのことだ」よりも、原作の「私の妻はそなただけでよい」のほうが良かったように思う。