『江』 第３４話「姫の十字架」

再放送を録画して視聴。

総大将を命じられた秀忠が、江の前で己の思いを吐露するシーン。ふたりが新たな絆を結ぶ大事なシーンってことになるんだろうけど、いまいち入り込めないのがつらいところです。

このシーンの最後に、お江ちゃんが「今日はあなた様の違う顔を見たような気がします」とうれしげに言うんですが、なんでそうスッキリできるのか私にはわかりません〜。

ヒネているとはいえ賢いキャラで通してきた秀忠くん、親父が戦じたくをしてることまで知ってるのに、なぜ兵をもたされてそんなに驚く？　何も、いま跡取りに決まったわけでもあるまいし、初陣だってすんでるんだろうし、至極当然のなりゆきだと思うのだが。

ここへきて、なんの伏線もなく「織田信長を尊敬してた」って話がいきなり出てくるのは不自然じゃないのか？　しかも、あーんなに戦をしまくってた信長ですよ？　この作品では、確かに「平和な世を築くために身を粉にして戦をしてるんだ。俺ひとりが悪者になればいいんだ」っていう、おそるべきけなげさをもった信長でしたが（笑）、その胸中は、市にしか明かしてないから、秀忠くんは知るよしもないよね？　父の正室や嫡男の殺害を命じたあたりのことは、尊敬の念にいささかの揺るぎももたらさなかったのかい？

「偉大な叔父を背負って生きなければならなくて大変だな」ってセリフも、「へ？」てなもん。

人道的見地から戦を憎み、また、豊臣と徳川とが戦になることを懸念しまくって、新幹線があるわけでもないのに、夫や子どもをおいて大阪にまで行こうとしてたお江ちゃん。の割に、夫が覚悟を決めたら、えらいあっさり矛先をおさめるもんだな？

ふたりの百姓カットまでわざわざ撮影して、ほっこりさせつつ感動させようっていうシーンだったんだろうけど、深く考えずにその流れに乗っかろうとして見てても、どーしても、頭の中で基本的な整合性がとれません〜。ふたりの演技も正直微妙です〜。

あー、悪口ばっか言ってるみたいで書いててもおもしろくない。

向井さんは、これの前の、総大将になれって言われたとこのほうが良かった。蒼白になって声が震えるって反応。樹里ちゃんは、「あなたさまの別の顔を〜」以降（言ってるセリフ、話の展開はおいといて）、笑顔での演技がすてきだった。眉根を寄せて嘆いたり問い詰めたりするようなシーンはいいかげん減らしてあげてほしい。

ミムラさんいつ見てもきれいだった。ガラシャにスポットあてたいなら、もっとうまく絡ませてほしかったよね、と、ここも消化不良。