テグ世界陸上7日目!

女子200mの決勝、ここ最近の成績をさらっておくと、

  • 2004年オリンピック(アテネ):1位 キャンベル  2位 フェリックス
  • 2005年世界陸上ヘルシンキ):1位 フェリックス 2位 キャンベル
  • 2007年世界陸上(大阪)   :1位 フェリックス 2位 キャンベル
  • 2008年オリンピック(北京) :1位 キャンベル  2位 フェリックス
  • 2009年世界陸上(ベルリン) :1位 フェリックス 2位 キャンベル

と、きてたんですよ。外野から見ると、“両者一歩も譲らず”とはこのことだわ!と思うんだけど、3才半くらい年上で29歳になっているキャンベルは、もしかしたらハンデを感じてるのかもしんない。

で、今回は、ベロニカ・キャンベル・ブラウン1位、カルメリタ・ジーター2位、アリソン・フェリックス3位。なーんかしみじみしちゃったね。走り終えたキャンベルがそのままうずくまって立ち上がれなくって、この優勝、ここまでの道のりをかみしめていて、そんな彼女に、彼女よりさらにベテランのファーガソンバハマ。今回は決勝を6位で走った)が、優しく、しきりに声をかけていて。

アリソンもお尻をつけて座り込んでた。涙も、悔しげな表情もなく、ただ「ああ、戦い終わったわ」って感じで。世界陸上で3連覇して、「新しいチャレンジをしたい」といって400mに参戦して、400では銀、古巣の200では銅。実際すさまじい成績なんだけど、2位と3位に“沈んでしまった”という言い方をされるのかもしれない、彼女の場合。200に特化してれば今大会も金だった、とかも思われるのかもしれない。でもねー。アリソンは、「やらなきゃよかった、400」とは思ってないだろうね。きっと。

それにしても、100と200はキャンベルとジーターで金銀わけあって、200と400はキャンベルとジーターとアリソンで金銀銅わけあって、女子短距離界、今後も熾烈だな! 楽しいな、見てると! 

男子200m予選&準決勝。ボルトはスタートはかなり慎重に出つつも、他を圧倒する速さで決勝へ。

ボルトって、あんなガタイ・あんな顔だし、モンスターみたいに速いし、陽気なそぶりも多い分、手がつけられないほど気性が激しいんじゃないかってイメージをもたれがちなんだけど、そういうわけでもないんだよね。記者会見なんか見てても、大口を叩く事はないし、他の選手に対しても常に敬意を払ってる。

100のフライングでも、直後こそ、競技場の出入り口付近で右往左往して幕をファサーッと叩いたりしてたけど、ウォームアップエリアに引き上げた後は、決して声を荒げたり、モノを投げたり蹴ったりってことはなかったらしい。

200の準決勝の前も、自分のレーンの荷物係の女の子からレーンナンバーのシールを受け取って、ニコッと彼女に微笑み、いつもどおり、握った拳同士をコツンとやる握手みたいなのを、自分からやってた。ボルト〜! あんたクールだぜ〜!

で、日本の高平慎士ですよ。予選2位で準決勝へ、準決勝では6位に終わって・・・って結果を言えばそれだけなんだけど、けっこう目をみはるもんがあった。ファニーフェイスが凄く精悍になってた。彼の上に流れた歳月を感じた(額を見て感じたわけじゃないよ!顔つきだよ!)。あと、福島さんと高平さんが兄妹っていわれたら信じちゃいそうな気がする。体つき、筋肉のつき方が、同じ系統じゃないですか?

そしてルメートル・・・やっぱりイケメン・・・。

女子槍投げ決勝。すげー盛り上がったな、5投目! 投げても投げても順位が変わってくんだもんー! オーバークフォル(独)が65.24m投げて一気に2位まで順位を上げて、次は、おかげで2位から3位に下がったスポタコバ(チェコ)。おなじみ、女子高だったらバレンタインはウハウハだな、て感じのイケメン女子ね。オットコ前な雄叫びと共に投げられた槍は、71.58mまで飛んでった! これでトップ。これぞ前回覇者の意地と実力だー! 

んで、それを受けて次に投げるのは、おかげで1位から2位に下がったアバクモワ(ロシア)。ゆうゆうとしたしぐさで観客に手拍子を要求し、なんと、目を閉じて投げた! そしたら、なんとなんと、71.99m!!! 抜き返した〜! 最後にあと1投あったんだけど、結果、アバクモワ金、スポタコバ銀でした。あー、5投目だけじゃなくて、一部始終をライブで見たかったね。


男子走り幅跳び。すげー盛り上がったな、フィリップス(米)、ワット(豪)、マクシャ(ジンバブエ)の三つ巴の戦い! 独裁国家で、ハイパーインフレで、食糧事情も悪く、医療・衛生・教育状態など崩壊しているというジンバブエから来たトップアスリートってことで、マクシャを応援したい気持ちになりつつ、初めて見るワットはイケメンだし、苦しい時期がありながらも長い期間活躍してるフィリップスにも愛着はあるしって感じで私の心の中でも三つ巴の争いが。

にしても、男子はやっぱり、泳ぐね〜空中で! で、マクシャの助走がアホほど速い(100mを9秒台で走れるらしい)。それでいて、後半は誰も彼もがファウル連発。次から次に、踏み切りが合わんこと合わんこと。しろうと目に見ても、助走がぐだぐだ。やっぱり、順位や記録を意識し始めると、業界(?)のトップクラスの選手たちですら、がんじがらめになっちゃうんだろうね。

結果、フィリップス金、ワット銀、マクシャ銅。フィリップスはこれで世陸4個目の金っていう快挙なんだけど、なんとこの人、ゼッケン番号が「1111」だったのよ! もってる! もってるな、おぬし!!

男子マイルリレー決勝! 予選では、日本がまさかまさかの「あわわわ、バトンが渡せない〜! 渡せないままふたりで走ってる〜!」状態になって落選してしまったわけですが、決勝も、負けず劣らず(?)盛り上がった! いつもは半周くらい差をつけてゴールするアメリカの独壇場なんだが、あわや王国陥落かと。マイルハードラーのファイナリスト、バーショーン・ジャクソンもアンジェロ・テイラーも後塵を拝してて、ラショーン・メリットが最後の直線でなんとか逆転して勝利。

男子400の決勝のとき、2度もスタートやりなおしになったことに気をとられて書き忘れてたんだけど、双子がいたんだよ! ベルギーの、ボルリー兄弟。世界のベスト8に双子! どんな『キャプテン翼』、どんな『風が強く吹いている』etc!?って言いたいよね。ふたりとも、マイルリレーでも走ってました。そのわりにベルギー5位だったが・・・っていったら失礼だが・・・

あと、TBSは、公式サイトのresultを、もうちょっと充実させるべきだ! ドイツの1走がイケメンだったのに、走者情報がないんだもん。IAAFの公式まで行っちゃったよ、英語苦手なのに。Jonas Plass君って人でした。

「リレーが始まるとお祭りって感じがしてきますよね!」と、織田さんもそろそろリミッター外れてきました。やたら椅子から腰を浮かしかけたり、言い間違ったりしてます。笑顔の出し惜しみゼロです。でも、気持ちわかるわー。

男子走り幅跳び決勝の客席にスティーブン・フッカーがいて、ほんの一瞬、カメラに映ったんだよ。たぶん、同じオーストラリアのワットを応援してたのね。スタジオに切り替わったとき、織田さん、ちゃーんと「フッカーがいましたね」ってチェック入れてた。「自分の競技は初日に終わったのに、ずっと現地で応援してるんですね」って。

確かに競技には直接関係ない。要らない情報かもしれない。でも、織田さんって多分こういうこと言うためにいるんだよ。私も思ったもん、「あっ、フッカーだ!」って。思っても、それを共有する相手がいないのが陸上というマイナー競技のファンの悲しさ。そこで、織田さんなんですよ! まぁね、私自身がミーハーだから、あのはしゃぎっぷりも気にならんのだろうけどね〜。