『大奥』
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2011/04/15
- メディア: DVD
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まず、美術さんになるんですかね、とってもいい仕事。城下、城内、庭、どこを撮っても画がきれいだった。部屋の調度品や衣裳も。吉宗と水野の寝間着、すっごく良さそうな生地で、繊細な刺繍が施してあってゴージャスだったわ〜。お伽のとき、水野の目元に赤い隈取をするシーンもきれいだった。
キャストはねぇ〜。柴咲コウの吉宗ってのは、近いようで、やっぱりイメージが違うんだよな。これはもう、はっきり好みの問題なんですがね。柴咲さんて地の顔が怒ってる感じがするんだけど、私の中では、吉宗は「表情が乏しい」って感じなんだよなあ。で、顔立ちや視線はもっと酷薄に、と。体ももっと大柄で、って、これはまあニノさんとの比率(?)で考えたら、柴咲さんくらいでいいのかもしれないけどw
誰かっていわれれば、 杏 とかどうでしょうか・・・ハイ、好みの問題ですね、激しく。
でも柴咲さん、閨で「控えの者ども、よく聞けぃ!」云々と声をはりあげてのセリフはとても良かった。
水野も私のイメージじゃないんだが、誰かといわれれば思いつかん。うーむ。成宮寛貴*1? ジャニーズだったら斗真さんのほうがまだ近いような。でも、実際に見てみると、さすがニノさんで、江戸っ子口調がべらぼうに(つられて江戸弁)上手かった。
基本的に、筋立てやセリフは、原作にとても忠実に作ってあった*2。男女逆転の世の中の悲哀、大奥という金魚蜂の悲哀、かっこいい水野とかっこいい吉宗、そんなふうにちゃんと誠実に作られてあった。
けど、なんかものたりない。パンチが。めりはりが。特に中盤までは流れていってる感じがした。鶴岡さんなんて(原作にない)自害までしたのに! あげんシリアスなシーンば創作すっとやったら、もちょっと緩むカットもあちこち入れてほしかったばい。
これって大枠でいうとエンターテイメントだと思ってて、メッセージ性みたいなのは出さなくていいと思うんだけど、なんというんでしょうかね〜、けっこうお金もかかってるみたいだし、どうせだったら、原作のド迫力みたいなもんを、もうちょっと感じられたらよかったな〜と思った(思って思って、と稚拙な一文だなオイ)。
でも、原作を愛読しすぎてるんで、くもりのないまなこ*3で映画を見ることができなかった部分があるのは否めません。映画だけ見た人の感想が知りたいわ。ちなみに夫は前半そうそうに脱落。たぶんアイドル映画だと思ったんだろうなー。まぁ確信犯的にそういう一面ももたせてるんだろうけどね。最後のあたりでまたテレビの前に戻ってきて、ふんふんと頷いていた。