文月の六

●7月某日: 本屋にて、銀色夏生の日記シリーズ「つれづれノート」の最新巻を見つけ、ぱらぱらとめくってみる。銀色さんは相変わらず、行動派で、飽きっぽく、自由気ままで、でもカラッとしているわけではなく思い悩むことを綴る生活を続けている。自分が10代のころは、そのすべてが魅力的だった。20代になると、その浮世離れっぷりについていけないな、と思う部分も増えた(つまり、私は平凡な大人になったんでしょうね)。30代になった今、「もういいや。」と思ったね。銀色さんの銀色さんらしさは、今の私を明るいところ、楽しいところに連れて行ってくれない。それどころか「まーたやってんのかよ」といらいらしちゃったりするんだから、読まないほうがもう建設的。あんなに好きだったことを思うとなんだか淋しいけど、古い恋(恋?)に未練を残しても仕方がないのだ。こういうことって、人間関係でもあるよなーと思う。惰性を断ち切ったほうが前向きになれる付き合い。当然、切られるのは自分という場合もあるだろう。ちなみに、よしもとばななの日記本についても同様の感じで買わなくなってます。

●7月某日: 天神でちひろちゃんと待ち合わせてランチ。賭けで予約しといたお店がかなり当たりでホッとした。まあ、サクはあらゆるものに手を伸ばし、音を立てたりグッちゃんグッちゃんにしたがるので、まったく気はぬけないものの、おしゃれなカフェでかーなーりー薄暗かったので、勘違いした(?)乳児ふたりは途中からおっぱいでねんねしたりして、気付くとすごーくゆっくりしてしまった。ぷっくぷくの手足、はらばいの姿など、ゆまちゃんの赤ちゃんらしさが懐かしく、すごくあどけなく感じる。サクだって、人から見たらほとんど赤ちゃんなのだろうが、親の記憶ってどんどん上書きされていくものなのよね。こんなにおしゃれなお店で働く、おしゃれで若い(もちろん独身だろう)女の子たちが、私ら子連れにすごく優しいことにも感動。帰りにちらっとソラリアなんかに寄ってみたりして、やっぱりたまには街に出るのもいいよね。