朝原宣治@サンデーモーニングに見る真髄

日曜日、関口宏サンデーモーニングを見るともなく見ていると、名物、御意見番のコーナー(?)に助っ人御意見番として朝原宣治・元選手が登場。

わーーー!と朝からテンションが上がったテレビの前の私(や全国の陸上競技ファン)をよそに、朝原さんは今日も元気に茫洋と(?)していらっしゃいます。あ、彼のマイペースっぷりについては、以前このあたり(ベルリーノくん、無惨 - moonshine)で書いております。

いつものごとく、気のおもむくままに「天晴!」「喝っ!」と御意見しまくるハリさんの隣で、鋼の肉体をビシッとしたスーツに包み、ほよーとしている朝原さん。

その無口さに、(目をあけたまま寝てるんじゃないよね?)といぶかしんだ(?)関口さんが「いかがですか、朝原さん」と振っても、

「いやあ、野球のことを僕があれこれ言うのは・・・もごもご」

と、まさかのコメント拒否。困った関口さん、仕切りなおして別の話題のときに、決めゼリフだけでも引き出すべく、再び振るも、

「え、あっぱれって言えばいいんですか?」

と、まさかまさかのコーナーの主旨を無理解! 具志堅さんもびっくりだよ! 誰だこのボンクラを呼んだのは、と、テレビをごらんの全国のご老人たちが、朝原さんに一斉に「喝〜!」を入れたことは想像に難くない。もちろん私は大ウケ。それでこそ朝原! 

2008北京五輪、男子4継リレー決勝、初のメダル獲得をめざす日本チームのアンカーとして、口から火を吐いてもおかしくないくらいの闘志&緊張がみなぎって然るべきスタート前にも、

「朝原の気が北京の大空に溶けていっている・・・このままでは、走る前から抜け殻に・・・」

とネットで評されたほど、およそ、やる気というものを表に出さない好人物なのだ彼は。*1

しかし、もちろん男・朝原はただのぽんやりではありません。

TBS系列で放送する夏の世界陸上テグ大会の選考を兼ねた陸上競技会についてトピックは移ります(このために呼ばれてたんですね)。男子400m、すんでの差で優勝した金丸選手が、ゴール間際にひょいっとゴールラインの向こう側に手を出した仕草を関口さんが取り上げて「手を出してもゴールにはならないんですよね」と、一見、滑稽に映る仕草を揶揄するようにも取れる発言をしたとき、

「頭や肩を前に出そうとしたら、体に力が入ってスピードが落ちてしまうので、手を出していったんだと思います。最後まで意外に冷静でしたね」

と、ナイスコメント。そうだよね、400mって、100や200と同じように無酸素で、その倍(4倍)の距離を走る。ゴール間際にもなれば、脳に酸素が届かなくなってるんじゃないかってぐらい、すごく過酷な競技なんだもんね。朝原さんの言葉でアスリートにちょっと迫れた気がした。

最近、フジの中継・・・・じゃなかった、録画でフィギュアの大会を見てたので、一般の視聴者には想像の及ばない部分を、こうして教えてくれるのが解説者(や実況アナウンサー)の大事な役目なんだよなあ、としみじみしたことである。私なんかが今さら書くまでもなく、フジのフィギュア実況は前々から悪評高いが、女子の6分間練習のとき、「これは競馬のパドックか?!」という調子でアスリートたちを紹介するのには愕然としたもんなあ。シロウトが見てもやる気というか誠意が感じられないヨナさんのエキシビションナンバーを苦しそうにほめる八木沼さんも哀れだった。

閑話休題。昨年は、世界選手権も五輪もない、3年に一度の谷間だった陸上界。今年は時差のないテグで世界選手権ということで、織田さんともども、楽しみにしております!

*1:そして、見事に3着でゴール=銅メダルを獲得したあとは、4人の、そして多くのチームメイトやスタッフの思いをつないだ記念となるバトンを、喜びのあまり上空に放り投げ・・・そして、それきりその存在を忘れて、紛失した笑