『てっぱん』終わりにまだまだ書く。

以下、覚え書きにつらつらと。

  • 瀧本美織、一歩でも間違えるとウザい主人公になる可能性大なのに、あかりちゃんの涙にはほんとに何度も泣かされたことであるよ。しっかし、最終回前日の『あさイチ』でのトークを見てると、「ほんとはウザくないのに役柄のせいでウザい印象をもたれてしまう」っていう役者さんはけっこういると思うんだけど、この子はその逆かもな・・・といううっすらとした危惧をいだいてしまった。ま、ま、若さですよね。このまま女優としてトントン拍子にいく感じではないけど、富司さんも言ってたとおり、朝ドラのオーディションを射止めるだけあって、思い切りのよさや集中力はすごいはず! 次回作を楽しみに待つ。
  • 富司さーん! 富司さんを半年間も毎朝見られて幸せでした。初音さんが一言しゃべるたびに、「くーっ」ってなってました。ほんとに、一言ごとにです。そんな女優さんって、今、ほかには大竹しのぶくらいしか思いつきません。あ〜〜〜「初音さんの名言集」みたいな編集VTRがほしいです。仁王立ちして、唇ひん結んで、口をひらけば悪態ばかりの初音さん、でも生活全般キチッとしてて筋をとおして、途中からは孫にも下宿人にも惜しみなく愛情を注ぐ初音さん、それがイコール富司さんとしか思えなくて、最終回前日の『あさイチ プレミアムトーク』では「そうよね、あれは演技だもんね」と少々面食らうほどでした。でも、素の富司さんも、とってもとっても素敵! 貫禄たっぷりの大女優というよりは、いいとこのお嬢さんといった感じの柔らかでかわいらしい語り口でしたね。富司さんの口から、ご主人の菊五郎さんの話を聞くのがいつも好きです。これからも、たまには菊五郎さんを政岡*1にして、いい作品にご出演くださいね!(ファンレター風)
  • ともさかりえ。『篤姫』に続いてNHKドラマでいい役。かつて「日本で一番忙しい高校生」的な形容詞で語られていたアイドル女優が、名バイプレーヤーに定着していくのを見るのは感慨深いもんである。この人、たぶんけっこうナーバスで浮き沈みの激しい性格だとは想像するんだけど、仕事がこうして続くところを見ると、やっぱりお芝居が好きなんだろうと思うのよね。
  • 遠藤要。私にとって『てっぱん』での収穫ナンバーワンがこの人。最初はエハラマサヒロかと思いましたし夫は今でもそう言うんですが、地に足のついた演技は、長男・欽兄の役柄と相まって非常に好印象。ちょいとwikiったら、2010年毎日映画コンクールでは新人賞を受賞しているらしい。今後も要チェックや! 『踊る大捜査線 MOVIE3』にものすごいチョイ役で出てたのも発見しました。
  • 趙 萊和。マザコンとシスコンの気がある人のいいボンボンの二代目社長、浜野一はひたすら愛すべき人物で、オープニングテーマに彼の名前があると「あっ、今日は出るのね☆」と喜んでた私であった。大阪弁めっちゃうまいなーと思ったら大阪人なんですね。『救命病棟24時』での卑屈ぎみな眼科医も良かったんだけど、このイケメンくずれみたいな顔とけっこう確かな演技力は今後も需要があるとみた! 
  • 長田成哉。読み方は「おさだせいや」くん。さすがNHK、シュッとしたいい感じの男の子を見つけてくるな〜と感心したもんです。陰気な性格の時期が長かったのが残念。いっつも耳に突っ込んでるイヤホンでどんな音楽を聴いてるのかと思いきや「落語?!」みたいなところをもうちょっと見たかったよね。最終週の「無理するからや。・・・(中略)お好み焼きに負けるんやったら、しゃあないな」ていうまぁまぁの長ぜりふ、なかなか歯切れ良かったしさ。所属事務所には、めざしてもめざしきれないほど素晴らしい先輩役者もいらっしゃることだし(もちろん小栗様のことよ☆☆☆)今後のご健闘をお祈りいたします!
  • 安田成美 か・わ・い・す・ぎ! 劇中、長男の欽兄が「お母ちゃんはずっと(倹約のため)、自分のものなんて何ひとつ買っとらん」とか言うところがあったけど、あんなに毎日きれいな服を着て、髪型も決まってるのに?と反射的に思った私のほうが清貧の主婦でしょう! でも、真知子さんみたいなお母ちゃんになるのが私の夢です。
  • 遠藤憲一。あれっ、役柄上だけじゃなく、欽也さんとおんなじ名字だ。安田成美と半年も夫婦ができてよかったね〜。村上錠は始めから遠藤憲一を想定して書いたハメ書きだったのかな?て感じでした。斉藤洋介とか松重豊などの例にもれず、コワモテを生かして悪役・クセモノのイメージをつけたところで「いい人役」をすると視聴者が愛着をおぼえること倍増、という法則を発動させたエンケンさんですが、意外と早くこの技を使ってきたな、と思わんでもない。
  • テーマ曲「ひまわり」。葉加瀬太郎はほんとにいい仕事をする。あの曲のタイトルが「ひまわり」なのはなぜだろう、と思っていたのだが、ドラマ中でその辺の事情(?)が明かされたときは「へぇ〜!(古っ)」だったなあ。
  • てっぱんダンスにあざとさを感じないのはなぜだろう? 擬音であらわすなら「おっとっと〜」「アッヒャッヒャ〜」みたいな、ちょっとおどけた振り付けに親しみが湧くのもさることながら、みんなで踊るんだけど正確さを求めない、という感じが好きなのかも。最終回で“村上家ほかのみなさん”が踊ったてっぱんダンスは、視聴者への最高のプレゼントでしたね。

*1:歌舞伎「伽羅先代萩」の御殿女中