『SPEC』第1話

どうも。『TRICK』も『ケイゾク』も『IWGP』も見たことない者です。マジです。や、なにも、意志あって見ていないわけではありません。ドラマ好きを自ら標榜しているようなわたくしですが、21世紀に入ってから2007年くらいまでは、ドラマというよりテレビ全般、ほとんど見ない生活をしていたので。

もちろん堤幸彦作品の評判については何となく目にすることもあるので、「ほぉーこれがかぁーーー」という感じで見てました。先に挙げたようなドラマを愛好してきた皆さんにとっては、「これよ、これこれー!」って懐かしさとか愛着とかがあるんだろうな、と。なるほど“作家性”なんて言葉で語られるわけだよなー、と。

初心者の私は、作りこまれた絵面やカット割、そろいもそろっての変人たちと、初回から思いきり広げられた風呂敷に、やや圧倒されてしまいました。拡大版を一気に見たんだから、もちろん惹きつけられたといえばそうなんだけど、「ほら、ほら」「どうよ、どうよ」という謎の畳みかけにちょっと食傷し、「キャラにしろストーリーにしろ、易しい視点で作るつもりなんて一切ないよ?」とでも言わんばかりの強気の姿勢に、ちょっと疲れてしまった・・・。「さあここで泣け!」「ここで感動して!」というガイドつきみたいなドラマもどうかと思いますが、あまりに真逆のベクトルのものにも、若干の反発みたいなのを覚えてしまう私はへそ曲がりなんでしょうか。それとも単に年なんでしょうか。ふう。

たぶん、最初に堤幸彦が登場したときには、「なんて斬新な!」と興奮させられたんだろうな。で、その影響はさまざまなところに伝播していて、彼の作品自体は未体験の私でも、2010年になるまでに、その潮流にあるものを、知らず知らずのうちに見てきたんだろう。たぶん、大衆化のため、オリジナルよりもややマイルドになったものやなんかを。だから、いよいよ本丸、てな作品をやっと見たのに、意外にびっくりはしなかったのかなー。

ま、でも、回を重ねて見ていくにしたがって、この味がクセになっていくのかな。加瀬くんをテレビで毎週見られるってだけでも、価値あるもんね、やっぱり。