『BECK』絶賛宣伝中、だった水嶋ヒロに思う

映画『BECK』の宣伝で久しぶりに水嶋ヒロが大量露出していた。どの番組で見ても、見事に黒色のエレガントな服装。雑誌『smart』10月号の表紙だけが、若干、色味があってカジュアルな格好でしたね。誌風を考慮したものでしょう。

世間的にはずいぶん好評だったらしい絢香と並んでの結婚会見のとき、どうにも拭えなかったこの人に対する違和感は、今年3月の日本アカデミー賞新人賞の受賞スピーチで決定的になって、一言で言えば「引いてた」私なんだけど、8/29放送の「おしゃれイズム」を見て、何だかすごく腑に落ちたのと同時に、ちょっとかわいく思えてきた。ってえらく長い文章だなオイ。

「おしゃれイズム」で戦場カメラマン渡部陽一の家を訪ねた水嶋ヒロは、本人を前に、「相手の目をしっかり見て話すところに共感した。なぜなら自分もそうだから」とリスペクトを告白。同行した藤木直人が、渡部の戦場での装備等についてすら笑いというスタンスで臨んでいるのとはまったく対照的なのだった。そして、そういえば彼は帰国子女。「空気を読む」なんていうのとは異なる文化圏で育っているのだ。

とすれば、おしゃれイズムで「好みの女性のタイプは?」と聞かれ「妻です」なんて真顔で白けることを言ってのけるのも、初々しさと簡潔さが無言のうちに期待される新人賞のスピーチで「出演するだけでなく違った角度からも・・・良質なコンテンツづくりがウンヌン・・・」なんて、業界の巨匠たちを前にぶち上げるのも、まったく他意はないのだろう。ってまた長い文だよ。

“慶応卒で頭のいい俺”や、“妻ひとすじの一途な俺”をアピールしているのではなく、彼はただ、いつもいつでも正直に受け答えしているだけなのだ。正直でないと気持ち悪いのだ、きっと。

しかし、その愚直なまでの正直さも、渡辺陽一のように“天然”と、あるいはどこまでもスマートなインテリ、とでも受け取られるようにコントロールするのが事務所の仕事だと思うんだけど、どうもどっちつかずな印象になっている気がしないでもない。

だいたい、一時期は(同じ事務所で先輩の)速水もこみちに同情を禁じ得ないほどイチ押しに押されていた彼のことを、月9『東京DOGS』以降はパタリと見なくなった。だいぶ前の週刊誌に、「勝手に結婚を決めたので、既に決まっていた仕事以外では干されている。水嶋も水嶋で芸能界にさほど執着はないし、絢香さえいればそれで良しとしている」的なことが書いてあったが、それもあながち嘘じゃないのでは?と思える。

もともと、「水嶋ヒロ? “日本三大松潤”のひとりでしょ。同じ若手俳優でも演技力に関してはおぐりんと天とち・・・(略」くらいの認識だったんだけど、先月、『花ざかりの君たちへ〜イケメンパラダイス♂〜』の再放送で難波南役の彼を見て以来、「なるほど輝いてるやん!」と注目(どんだけ今さら笑)している私なのれす。社長、宣伝だけじゃなく、水嶋くんにいい仕事振ってください!

◆追記:そんな彼の正直さを逆手にとって(?)、“食わず嫌い王”では石橋貴明がさんざん絢香について絡んでたらしいですね。貴さんて「ここが突つきどころだ!」ていう匂いを嗅ぎつけ、容赦なく突っ込んでいく人。あのいやらしさは天下一品だよな。