『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』 山田正人

経産省の山田課長補佐、ただいま育休中 (文春文庫)

経産省の山田課長補佐、ただいま育休中 (文春文庫)

妊娠中、初読の感想はこちら→(2010-02-07 - moonshine
いやー、産んでから読むと、ディテール部分に激しく共感。今回、いちばん「うんうん、そうだよね!」と頷いたのは、

たまたまウンチがオムツ換えのときにぶつかると、何の前触れもなく、不意に、肛門から、
「ピュッ、ピュッ、ピューーッ」
チューブ状の容器からマスタードが出てくるように、勢いよく飛び出てくる。

という描写。比喩が的確!! ああ、親になってから、「ウンチ」とか「おちんちん」とか1日に何回も口にする女になったぜ・・・。

おっと思わず余計な事実まで書いてしまったが、そう、ディテール。心配シイの私は、産む前に読んだとき、この本にある「大変そうなディテール」を読んで気を引きしめていたのだが、産んで2ヶ月も経っていない今、既にはっきりと言える。子育ては基本的にはやっぱり楽しいものだし、その楽しさは日々のディテールにある。

おっぱいを飲むとき、おむつを換えるとき、お風呂に入るとき、ぐずっているとき、寝ているとき、子どもはさまざまな姿を見せてくれる。また、その姿は徐々に変化、成長していく。それらのひとつひとつが楽しいし、それらをたくさん、そして長いあいだ見れば見るほどに、愛情が増していくものなのだろう。

だから、育休や時短を促進していくのは、母親の負担を減らすため、少子化対策のためというのももちろんあるけれど、「(男性が職場に拘束されることで)この喜びや楽しみを味わえないのはもったいないから」でもあると思う。私は、また1年後くらいにこの本を読むのが楽しみだ。そのころにはまた、この本にあるディテールに共感できる部分が増えているだろうから。育休をとっているわけじゃないけど、わが夫にも、この本で笑える父親であってほしいものだ。