『JIN〜仁〜』第3話 望みは捨てないが

・・・・・。
良くないね。どうも良くない。
ドラマ開始当初の興奮は、私の中で完全に沈静化した。

何が気に入らんかって、大げさすぎるよ。脚本と演出が。タイムスリップした仁の戸惑いや葛藤を丁寧に描きたいのは、まだわかる。しかし、コロリで苦しむ子役や、自分も感染してしまった大沢たかおの苦しみよう、それを見守る綾瀬はるかの嘆きように、ハバをとりすぎ。病気が苦しいことや、大事な人が病気で苦しむのを間近に見るつらさというのは、視聴者にも容易に想像がつくものです。そんなに長々と、また、さぁ泣けとばかりに大仰なBGMを多用しなくてもけっこうです。

それに、このドラマでは熱く濃い男として描かれている龍馬だが、熱すぎ。濃すぎ。ユーモアとか軽み、ひょうひょうとした部分があってこそ、熱さや濃さも引き立つってもの。バランスが悪いのよー。これも脚本とか演出とかのせいよー。

来週も見るけどね。中谷花魁が出てきて話もちょっとは動くだろうし、(予告を見てると、花魁言葉のアクセントが意外と平板だったのでちょっと悲しかった、、、)何よりやっぱり大沢たかお綾瀬はるかが大好演してますからね。先週、今週と綾瀬はるかの演技にかなり感嘆。けっこう声を張って叫んだりするシーンがあるんだけどそれもいいし、今週のラスト、葛藤を告白する大沢たかおに対して、懐深く、やさしく受け答えする演技にはちょっと感動してしまった。

でも、ここでも、いくら仁先生に恋したからって、そんなにかんたんに「未来から来た」ってことや、仁が悩んでいる「バタフライ効果」について理解できるもんか?!とかなり疑問にも思ったけどね。理解したうえで受け容れてるのか、言ってることは全然理解できてないけど、とにかく仁の人間的魅力を信じているので受け容れているのか、いまいち分かりづらい演出で、「そこが肝でしょ!」と思ってしまった。

ともあれ、私の中で大感動作と位置づけられている『歌姫』も、序盤はけっこう、タルい展開が目立ったりしたからなあ。まだまだ名作の可能性はあるな。