『不毛地帯』第2話 男の陰影

今日からは1時間なので安心してリアルタイムで視聴。やはり先週は長丁場だったので録画視聴した人が多かったようで、制作側にとってはそれも織り込み済みだったのかも。15分拡大とかではシベリア抑留までしか描けず、それではあまりにも息苦しいし、かといってそこを端折るとドラマ全体の説得力が薄れるわけで。あの2時間18分は、制作側の気合というよりも、必然だったのかなーと思う。今日からが数字の勝負、と局(スポンサー)は考えているだろう。

さて第2話、なかなかスピーディーであっというまに時間が経った。中高年の男たちばかりで進む主筋の画面は暗色ばかりで、パッと見、地味といったらないけど、ただならぬ風情の役者たちがそろっているので見ごたえ大。皺や顔の彫りをくっきりと浮かび上がらせた男たちのアップの顔は迫力満点、まるで映画を見ているようだ。

今日から出てきた松重豊(好きです、マッチゲさ〜ん☆)は笑顔が怪しすぎて、どう見ても従順な部下では終わらない雰囲気をかもし出してるのだが、来週の予告を見ると早くも馬脚をあらわすようでちょっと肩透かし。もっと引っ張ってくれたらいいのに〜。柳葉敏郎はいつもどおりの演技で、どちらかというと大根役者の部類に入ると思うんだけど、これが彼の芸ってもの。需要が切れないのは立派よねえ。実直だけど駆け引きに拙いような今回の役どころはぴったりだが、さてこのままで終わるのか? 竹野内豊天海祐希の『BOSS』コンビは今日も顔見世程度で、見せ場はまだまだあとのようだ。

そして何といっても遠藤憲一。今やひっぱりりだこ状態のこの人のことを知ったのは今年に入ってからで、「白い春」「白洲次郎」などでも好演してたけど、ほんとに「引き」のある役者だなー。映っただけでわくわくする。これからどんな怪演を見せてくれるか楽しみでしょうがない。今日の最後、「墜落すんなよ・・・!」と哄笑するシーンのインパクトといったら、「やられた!」て感じだった。

いつものくせで10〜11回を念頭においていろいろ予想してしまうんだけど、このドラマは半年間の放映で、そのスパンに慣れてないからまったく先が読めない。まだまだ相当なうねりがあるのよね。来週はさっそく、妻・和久井映見との修羅場もあるようで、あの陰鬱な表情の長男が、いつかは牙をむくんだろうな。