『小公女セイラ』初回2時間スペシャル これぞ土8にふさわしい!

新ドラマの情報は前からチェックしているのだけど、さすがにこれはいいよな・・・と思ってた。しかし夕食どきにふとチャンネルを合わせてちょっと見ていたら、ぐいぐい引き込まれてしまった。

なんせ、私は小学1年生のときにハウス名作劇場で「小公女セーラ」を欠かさず見ていた、ずばり「セーラ世代」なのだ(そんなものあるのか知らないが)。学院の特別生徒としてもてはやされていたセーラが誕生日パーティーを迎えるあたりでは、「いよいよ、くるぞ、くるぞ・・・」と手に汗握る。

そしてついにきたー! ダイヤモンドのネックレスをつけてみんなに祝われている最中に告げられるパーティーの即刻中止! 院長先生、ごちそうを盛大にひっくり返す! そして、お父さんの死亡&破産宣告! 
「あなたは一文無しになったのです。本当ならここにおいてはおけません。けれど私たちは教育者です。あなたがここにいたいというなら、下働きをなさい」と言って渡される黒いワンピース! 屋根裏部屋! ねずみ登場!

このめくるめく展開、なんて懐かしさを誘われることだろう! 先がわかってるからこそわくわくしちゃう。

志田未来はこういうアニメチックな役がぴったりだし、アニメではラトビアだった「まりあ」というお嬢様もすごく意地悪そうで、けれど、なんといっても樋口可南子斉藤由貴の院長&副委員長姉妹が最高! 

樋口可南子は、「篤姫」での理想的な母親や、ソフトバンクCMでのコミカルでひょうひょうとした母親、また未見だが『アキレスと亀』における北野武の夫人役など、このところずいぶんイメージのいい役が続いていて、最近では本屋で彼女の趣味良いライフスタイルについて、カラー写真満載で作られた新刊が平積みになっているのも見た。

なのに、土8ドラマでミンチン院長なんだもん。酷薄なせりふまわし、セイラや妹を怒鳴りつける声も堂に入ったもので、いま小学生の子なんかが見たら、ほんとうにこういう人だと思い込むに違いない。これから徹底的にセイラをいたぶっていく姿がぜひ見たい。ここへきて、こんなリスキーな仕事を選んだ彼女に、なんか好感度上がったわー。家に帰ってブイヨンちゃんに癒されてね。

斉藤由貴は、『歌姫』といい、河原雅彦演出の舞台といい、かつてのアイドルのイメージをかなぐりすてた役に多く挑戦して、すっかり新境地をものにしたなあ。善良だけど気弱で臆病な妹、アメリア役には、このドラマでは「裏では酒乱」という味つけがなされてて、かなり長いそのシーンはまさに最近の斉藤由貴の真骨頂だった。

後半の1時間しか見てないけど、アニメに親しんでいたからというわけじゃなく、すごく良くできてた気がする。リアリティのない世界の作り込みようは気持ちいいほどだった。ベッキー役を林遣都くんにしたのも萌える〜。これ、イロモノだと思って敬遠しがちだけど、大化けするんじゃないかな。今後が楽しみ。週明け発表の視聴率も楽しみ。

お、今確認したら、脚本は「ちゅらさん」や「女王の教室」の岡田惠和、プロデューサーはクドカンサタケミキオとのコンビでお馴染みの磯山晶なんだ〜。
今クールのTBSは、『JIN〜仁〜』といい『深夜食堂』といい、これといい、なかなかいいんじゃないのォー?