21時過ぎ帰宅すると、夫が『太田光の私が総理大臣になったら...秘書田中。』の特番を見ていたので、相伴。
そのときは八ツ場ダムについて議論してた。太田さんが額に青筋浮かべて吠える内容が思いきり鋭くて思わず引き込まれ、そのあとの「子どもの心のケア」問題や、爆笑問題が街へ出て国民の怒りを受け止めるなんていうコーナーもスリリングで、興奮しながら最後まで見てしまった。
この番組、いつもこんなに面白いの? これまで見てなかったのが悔やまれる。損したわー。
もう2年くらい前か、一度、見たことあったんだよね。そのときは、「(主に子どもの安全のため)町のそこここに監視カメラをつけるべきか否か?」というのがテーマで、千秋とかふかわりょうとかが出てたんだけど、安直で短絡的な意見が多くて、討論というには程遠い低次元な印象で(一体あたし何様だ笑)、それ以来、見ようと思ったことがなかった。
ところが今日は、自民・民主の議員は出てるわ(しかも石破茂という大物まで)、金美齢や六平直政は出てるわ、八ツ場ダム関係の当事者さんは出てるわだし、長島一茂は自らのうつを告白して心に迫る訴えをするし、太田さんの反射神経の良さは群を抜いてるし、そりゃもう有意義な討論が繰り広げられてた。それでいて大いに笑えたしね。街の人たちの声も面白かった〜。
なんか胸が熱くなるような気持ちだね。爆笑問題、ここまで来たかって感じ。『爆笑問題の日本原論』や『日本史原論』シリーズの本、昔よく買って読んでたんだ。私が大学生の頃だからもう10年以上前のこと。爆笑さんの冠番組なんてもちろんひとつもないころ。ポンキッキーズで「爆チュー問題」やってたころだよ(←見てた)。
元は何かの雑誌・・・確か今はもう休刊になった雑誌*1だったように記憶しているが、そこでの連載をまとめたこれらのシリーズ。
タイムリーな時事問題とか普遍の歴史問題とかをテーマに、太田がボケ倒して田中がツッコミまくる、という漫談形式の本で、個々の問題について「太田光がもの申す!」というわけではなかったんだけど、当時(今もか)、そういう趣向の芸人本はすごく珍しかったし、ボケるにもやっぱり、それらについての知識ってのは必要だ。つまり、そのころから、太田さんには「この社会について」の興味関心があったんだろう。
そういうルーツがあってこそ、この番組が始まったんだろうし、それを、こんな特番を組んで、しっかりしたゲストを呼べて、面白くて考えさせられもするものに育てていったんだな〜って思うと、なんかうまい言葉で書けなくて恥ずかしいんだけど、希望がもてるし勇気をもらえる気分になった。
太田さんはね、第2のたけしのポジション*2を狙ってるとか言われたりもしてるけど、まあそこはどうなのか知らんが、もともとこういう方面について興味があって、その気持ちを長いことかけて育ててきたんだよ、きっと。
そして、やりたいことをやれる番組を作れるだけの実力を備えたんだ。こんな豪華な特番を組めるぐらいだから、評価もされてる。もちろん、これは彼のライフワークのひとつともいえるだろうから、この先、いつかこの番組の視聴率が低迷してやめることになっても、何らかの形でこういうことをやり続けるんだと思うよ。なんか、そういうのっていいじゃないか。
で、もはや相当な売れっ子の爆笑問題なわけだが、ほんとに長いこと「笑っていいとも!」に出続けてるのが不思議でもあるのよね。それこそ、最初レギュラーに決まったときは自分の番組もなく、露出もまだまだ少なかったので、「太田さんのような、視聴者にとって好き嫌いのはっきり分かれるような芸人が、田中さん以外と絡めるのか・・・?」と疑問だったんだけど、今やこうやって、しっかり市民権を得てるんだもん。
ダウンタウンやウンナン、ナインティナインだって、売れてしばらくすると「いいとも」を卒業していったのに、それこそ、もう10年は出てるんじゃない? そこにあるのが、どんなメリットなのか、あるいは大人の事情とかなのか? 毎週、会社の昼休みに彼らを見るたびに、そこはかとなく気になる私です。