シティマラソン福岡・応援ラン 4.2キロ+ウォーク
朝7時半起床。なんてさわやかで、眠たい日曜の朝だ! 今日は、福岡最大の市民マラソン大会(といっても、ハーフの部と5キロの部しかないが・・・)、シティマラソン福岡の開催日である!
・・・って、参加しないのだがね。でも、せっかく走っていける距離にコースが組まれてるんだもん。大会の熱気を生で感じたいなーと思い、前日、夫を誘って、この日のランニングは大会の沿道まで往復することに。夫は、同僚が2人出場することもあり、快く承諾してくれた。
我が家から2.7キロ付近、那の津通りは長浜交差点の近くで応援することにして、前夜、HPで開催要項を確認。そのあたりはスタートから約9キロ弱の地点になる。8時20分に福岡ヤフードームを起点にレースは始まり、トップグループの選手たちは1キロあたり3分程度で走るだろうから長浜を選手が駆けるのは8時40分以降か・・・などと計算して、8時15分くらいに家を出た。
昨日に引き続き、素晴らしい秋晴れ! 青空が眩しい。運動会なんかにも、もってこいの日和だ。とはいえ、応援地点まで向かうランニングでさえ、汗が滴る。21.0975キロを走り抜くランナーたちには、給水の欠かせない、暑いくらいの陽気だろう。
那の津通りで応援するギャラリーは、ちらほらといったところ。交通整備をする警備員さんたちの数のほうが多い。時計を見ながら、「そろそろ来るよ!」なんてテンションを上げていると、私たちのすぐ近くの警備員さんが、「あれ? もう来ます?」なんて、制服の胸元からレジュメを出して確認していた。
「この先、KBCの辺りで9:24分って書いてありますけど・・・」
「そ、それは、関門が閉まる時間ですよ!」
ちょっとー福岡県警! のんきだな。数キロごとに設けられた関門を制限時間内に通過しないと失格になるというマラソン大会は少なくない。その中でも、一般市民レベルの大会で、制限時間が割とシビアなのが、このシティマラソン福岡なのだ。
とはいうものの、警備員さんたち、大変そうだった。なんせ、ランナーが通り始めると、歩行者や自転車乗りさえ道路を横断することができず、文句たらたら言われてたもん。ご苦労様なことです。ランナーが楽しく集中して走れるのも、こういうスタッフのおかげですよな。
案の定、そんな警備員さんとのやりとりから間もなく、選手が姿を見せ始める。トップグループはさすがに速い! どこかの実業団に属していたり、私設ランナーズクラブのエースだったりするんだろう。あっという間に目の前を駆け抜けるランナーたちに、手を叩いて声援を送る。塊になっている何人かのグループよりも、ひとりでぽつんと走っている人には、ことさら「がんばってー!」と声をかける。
既に一生懸命にがんばっている人に「がんばれ!」と言うのは、たとえば、うつ的なメンタルになっている人たちにはご法度だということは熟知しているつもり。でも、レースを走るランナーについて、その法則は当てはまらないことも私は知っている。市民ランナーから、世界大会で走るようなトップアスリートに至るまで、長距離を走るランナーというのは、沿道の応援のひと声で、ぐっと力を振り絞れるものなのだ。
それは本当に不思議な心境なんだけど、自分が走ってみたら、生理的にわかる。長距離を走るというのが、私がもっとも、心と体が直につながってるのを感じる時間だ。誰と比べるわけでもない、自分自身のゴールに向かってただひたすら走るとき、それはある意味、とても孤独な時間だ。でも、面識もない人がさりげなくかけた「がんばれ!」という言葉で、新しい力が湧いてくる。人間って、とても健全で前向きにできていると思う。その単純な本能が、人間の動物としての力だと思う。
・・・と、やけに大仰な話になったが、とにかく私は手を叩き続け、がんばれがんばれと口にし続ける。朝早くから沿道に出てる少ないギャラリーたちも同じようにしている。
ハーフマラソンの部だけでも5,000人が走るという、まさに九州一の人口を誇る福岡ならではの大きな大会なのに、このコースはあまりにも地味なのだ。
スタートとゴール付近の百道はまだしも、あとは人通りが多いのはこの那の津通りぐらいで、須崎とか埠頭といったあたりは平日の物販流通経路だから、日曜の朝の人口が多いはずもない。ランナーたちは、ひとけのない倉庫の中を、応援も少ないまま黙々と走らなければならないのである。
このあたり、シティマラソン福岡は20年の歴史ある大会といえど、昨今の東京マラソンを初めとした全国各地の人気高い市民マラソンとは根本的に様相が異なっている。予算の関係なのか、市民の興味関心の差なのか、福岡という都市をアピールするコースとは、かけ離れているのだ。
それでも、ランナーたちは次々に駆け抜けていく。トップが通過して15分も経つと、那の津とおりはランナーの大群でふさがれる。折り返し地点にも至らないのに、10月初めの陽気で、みな一様に、おびただしい汗をかいている。既にゼェゼェと荒い息を吐く苦しげな人、友人と談笑しながら走る人、肩の出たランニングシャツ短パンのシリアスランナーから、ファンランっぽいゆるい格好の人まで、さまざま。それでも、5,000人もの人たちが、同じ時間に同じコースを走っている。
夫の同僚のうち、課長さんだか部長さんだかの、50歳前後の人は8時52分ほどに私たちの前を通過。キロ4分あまりで走っていることになる。これは速い! 目を凝らして同僚を探す中で、ランナーである彼のほうが夫を先に見つけて笑顔で手を挙げてくれた。もう一人、夫の同期であり、私も何度も酒をともにした(笑)大ちゃんのほうは、持ちタイム的にはそれから間もなく通ったはずなのだが、見つけることができなかったのが悔やまれる。
ともあれ、トップ選手が通過してから30分あまり沿道で応援してから、ふたりでまた走って帰路についた。走る人たちを見ると自然とモチベーションが上がるもので、遠回りして御所ヶ谷の坂を越えて帰った。