マイケル・ジャクソン〜デビュー30周年コンサート
夕食後、夫がザッピングしていて発見。
2001年9月にニューヨークのマジックスクエアガーデンで行われた記念コンサートを90分ほどに編集した番組。
いったい何千人?!や、万に達してる?!てぐらいの観客が集まる。
前半は、アッシャーやインシンク、ディスティニーズ・チャイルド、マライア・キャリーなどそうそうたるゲストミュージシャンが彼の楽曲をトリビュート。
プレゼンターも、エリザベス・テーラーやクリス・タッカーなどとにかく豪華なのだ。
兄弟が集まってのジャクソン5メドレーでマイケルが登場。このパフォーマンスは20分ほどもあったんじゃなかろうか?
昔どおりの振り付けでやる『I Want you back』のシーンは動画サイトで見たことがあったけれど、かわいすぎて超テンション上がり、思わず食後のビールを冷蔵庫に取りに走ってしまった。
その後も、スラッシュと一緒に「Black or White」をやったり、ミュージックビデオと同じ、群舞を従えたダンスで「Beat It」もやった。ひとりきりでステージに登場して「Bille Jean」では、無音の中スポットを浴びたマイケルが帽子を被り、手袋をはめるだけで、観客が(テレビの前の私も)「あの曲だ!」と察して大騒ぎ。
アメリカの観客は、ペンライトや団扇をふったりはせず、とにかく総立ちで、踊る踊る。みんながみんな、マイケルのヒット曲の歌詞を覚えていて一緒に歌う。
2001年ということは、マイケル、43歳だ。
でもこのときはまだまだ踊れている。ダンスは依然としてキレキレで、ひとつひとつのポージングだけで大歓声が起こる。
ミュージック・ビデオの完成度はいうまでもないが、ステージ上でのパフォーマンスも、ほんとに他の追随を許さないほどのオーラにあふれていて、「生きた肉体」ひとつで魅せる最高の輝きって感じ。
これこそがマイケルの真骨頂なんだけど、今になって思えば、このレベルのものを常に観客に求められるプレッシャーというのは、ステージを降りたあとに声高に叫ばれるゴシップの数々と同じくらいに、彼を追い詰めていたのかもしれない。
というか、彼のような次元の有名人になると、オンステージもオフステージも地続きの人生だっただろうから、私生活のすべてを暴こうとする世間を黙らせるためには、作品の売上や、ステージでのパフォーマンスで圧倒するしかない、と考えていたのかもしれない。
マイケル・ジャクソンというアーティストは、やっぱりかなり完ぺき主義者だったんだろうな。加齢とともにステージ構成を変えるとか、そういうことはしたくなかったんだろう。ありあまる才能というものが原点にあったとしても、極限までにとぎすまされたあの歌とダンスを長い年月にわたってやり続けるためには、努力という言葉では足りないくらい、肉体に相当な負担をかけていたはず。一流のスポーツ選手が幾度も大手術を繰り返し、最後は満身創痍で引退していくのと同様に、彼の体はボロボロだったんだろうな、と今は思う。
そうだとしても、やっぱりマイケルのステージは問答無用にかっこよくって興奮する。
それにマイケルって、超人的なパフォーマンスのあとに見せる笑顔がほんとにかわいい。(アメリカ人なのに!)ぺこり、ぺこりとお辞儀して、大歓声に対して「I Love you more!!」僕のほうがもっと愛してるよ!と繰り返す姿には萌えずにいられない。
「キング オブ ポップ」とともに、「元祖ハニカミ王子」の称号も進呈したい。
心無いゴシップよりも、彼の楽曲やダンスのほうが、これから先、じゅうぶん長い間、風化せずに残るだろう。番組が終わった後、またニコニコ動画に入り浸って、'80年代、'90年代のマイケルの動画と、それについてる若い人たちのコメントの数々を堪能して、またそれを確信したのでありました。