『風が強く吹いている』

風が強く吹いている

風が強く吹いている

「竹青荘」なるオンボロアパートに住む変わり者集団の大学生10人が、わずか1年足らずという無謀すぎる練習期間で箱根駅伝を目指す。

・・・と概略を書くと、
「ほうほう、あるよね、そういう、『素人軍団がすったもんだするスポーツもの』って」って感じですよね。
うん、まあ、そうなんです。よくあるといえば、よくあるアウトラインなんです。小説とかマンガとかドラマの世界では。
しかし、よくある話で、読者に新鮮な感動を与えるってのは難しいんじゃないでしょうか?

んもうね、面白くて面白くって、どんどん読み進むのがもったいなくって、時々、ボーっとテレビ見てる夫にテンション高く固め技かけて奇声をあげたりする。ドン引きしつつも律儀な夫は返し技をかけようとしたりするのだが、
「あ、やばい、こんなことしてる場合じゃなかった。じゃあね!」
そこはあっさり振り切って、また読書部屋(=寝室)に戻って一心不乱に読む。

もう、ツボがありすぎて、身悶えしながら読む。
途中からは、ところどころ、ジュワッと涙ぐみつつ、
「や、泣いてる場合じゃない。彼らの挑戦はまだまだ真っ最中なんだから!」
と己を叱咤激励しながら、読む。時々、にやにや笑う。

最後は、涙がシュバーッと、ほとばしるように出た。すんごく気持ちのいい涙が。出てすぐ乾いた。
素晴らしい読後感だった! 箱根を走りきった感じがしたよー!
そして、読み終わって、ひと呼吸、余韻に浸ると、またソッコーで冒頭に戻って読み始める。
結局、この日、通しで2回読んだ。。。。燃えた、、、燃え尽きたよ。。。