10キロ / 『最後のハイウェイの夢』PLAGUES

今年の初めから定番にしたコースを、ここ1ヶ月くらいで3キロほど広げた新しい周回コース。今日もなかなか楽しく走れた。ラスト600mぐらい、っていうきついところで、「i-podのシャッフル機能さんよ、ここで何か一発、ガツンとくる曲をお願い!」と念じると、流れ出したのはPLAGUESの『最後のハイウェイの夢』だった。おおお! なんと気の利いた選曲。i-podの神さま、ランニングの神さま、ありがとう。

「この世界への僕の小さな ありふれた夢だけで
 君をうしろに乗せて どこまで僕はいけるんだろう?」

息が荒くなりすぎないように気をつけながら、音楽に耳をすませながら、「この曲に出会ったのは18歳のときだったよなあ」とふと思った。そのころの私が、12年後に、i-podなんて機械でこの曲を聴いてじんわり感動しながら10キロランニングのゴールを目指してるなんて知ったらびっくりするだろうなあ。

干支がひと巡りするほどの年月、そりゃあいろいろあったけど、今日もこうやって好きな曲を聴きながら走ってる。私はこの歌がずっと好きで、流行歌みたいに、ある時期だけバーっと聴いて忘れるのではなく、いろんなことがいろんなふうに変わっていく生活の中で、ずっと折に触れて聴きながらやってきた。走ることも、時々やけに夢中になったり、時々は飽きたりしながらも、誰に強制されるわけでもなく、自分で選んで、楽しく続けてきた。

なんか、これは、村上春樹がエッセイで冗談めかして書く、『小確幸』(小さいけれども確実な幸せ)のひとつだなあと思う。これからも、たいして速くならなくてもいい、怪我とかしないように、好きな音楽を携えて、ずっと走っていきたいなあと思った。

センチメンタル・キック・ボクサー

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