神無月の十 / 藻谷さん講演

●10月某日: 立憲カフェの運営お手伝い。家を出る前、唐突にだいぶ強い雨が降り出してびっくり。外に出たら生あたたかくてびっくり。カフェは初めての試みでいろいろと不備もあったけど、それもやってみてわかること(とお手伝いの立場なので軽い感想)。それにしても立憲は支持層を広げていかないとやばいと思う。
 
天神で、あこさんちの里子ちゃんの誕生日プレゼントを買って帰る。生後5日であこさんの家に来て、来週で1歳だ! 夜ごはんは、鶏と野菜の天ぷら。干し切り干し大根(なんと表現したらよいか?)をトッピングした野菜サラダ。辛いトマトパスタ。サク、ちょうどいいサイズの段ボール箱に入ったり背負ったり、ゆりかご&やどかり生活を堪能しているw 心底楽しそうw
 
●10月某日: 藻谷さん講演@ワークライフバランス研究所。藻谷さん、福岡空港名物「滑走路が混雑していて着陸できません」に引っかかり10分ほど遅れて到着。そこから、自分でテキパキとパソコンとプロジェクターをつなぎながら既に講演が始まるw 
 
今日は急きょの開催で定員が17名のみ、濃密な時間であった。主に前半は女性活躍、後半は税制について。いつものようにこぼれ話も刺激的。特にラグビー日本代表についての批評がwww
 
夕方、6キロほどランニング。夜はラグビー決勝トーナメント、南アフリカ戦。ほぼ完敗といった様相だったけど、まぁこれで残りは純粋に試合を楽しめるかなーとか。
 
講演レポート、facebookからのコピペです~
 
【女性の就労率と出生率の関係】
25~39歳の女性の就業率、全国1位の都道府県を知っていますか?
島根県です。 同時に、合計特殊出生率は全国2位!
 
もしも、日本全国で、25歳以上の女性の就業率が島根県と同水準になったら…?
現在の日本の就業者数は、423万人も増えることになるのです。
人手不足が叫ばれている日本。
その対策として、昨年、政府は今後5年間で35万人の外国人労働者を受け入れることを決めました。
 
そもそも、労働人口の減少のペースからいくと、35万人では焼け石に水。そのうえ、彼らは収入の多くを母国への仕送りにあてるはずです。また、言語や文化の違う彼らに日本で就労・生活してもらうには、日本語教育を始め相当な支援(コスト)が必要ですよね。
その前に、国内にまだまだ働いていない女性がいるじゃないか! 
彼女たちの所得は、子育てはもちろんモノを買ったりサービスを享受したり、そのまま国内消費につながる。
 
では、女性に働いてもらうためには?
必要なのは、子育てや介護の支援です。(フォント大、太字な感じで!)
 
前述、就労率も出生率も高い島根県では、やはりココに力を入れている。
それも、講演や取材で全国各地をまわっている藻谷さんの感触では、
子育て支援というと行政の仕事とばかり思われがちだけど、企業のスタンスが違う」んですって。
 
島根のような地方では、人手不足も早くから深刻。
なので、働いてもらうために、企業が保育所を作り始めました。
当然、子育て中の女性は保育所のある企業に集まる。
自然、「人材を集めたいなら保育所ぐらい作らな」という地域の風土ができていったそうです。
 
他方、若い女性の就業率も出生率も超低いグループに属する東京には、もちろんそんな風土はなく…
 
藻谷 「東京の企業ってほんと、カルト教団みたいなんですよ。経済至上主義のカルト。人を人とも思ってない」 ←出た、藻谷節w 
 
しかし、そんな東京も、実はこの5年で就業率がだいぶ上がったらしい。これでも。
5年前は、この表の欄外くらい(もちろん左下の欄外)に位置していたらしい。
 
藻谷 「なんで急に就業率が上がったのか? 政府が女性活躍を言い出したからですよ。東京ってほんと、社会主義なんです。あそこはソビエト。政府が言うと、ほいほい聞くんですよ」
ソビエト
ちなみに、政府が何を言っても何ひとつ聞かないのは佐賀だそうですw
 
 
【福岡は?】
気になる福岡はというと、就業率・出生率ともに「東京ほど悪くはないけど東京に近い」ところに位置しています。県内でも、就業率が低いのは福岡市(← 市長~聞いてるか~)
 
前述、福岡市の若い女性が、島根県と同じ就労率で働くようになったとすると、なんと!
 94,000人
の人手が爆誕
 
ということは? 仮にパートで年収(手取り)100万円だと計算しても
94,000人×1,000,000=94,000,000,000
ガッといえば、年間940億の購買力が生まれるのですよ!!!
こうなると、岩田屋クラスの百貨店がもう1件建てられるわけです。
 
(逆に、就業者を増やさずに店舗を増やしても、パイの取り合いになるだけ。もちろん、福岡の場合インバウンド需要を見込んで作られてるんでしょうが、日韓関係で如実にわかるように、外国人客は政治の状況等で簡単に上下してしまう)
 
藻谷
「年収100万でも940億ですよ? 年収100万で働かせるなんて、国家の恥ですけど…」
「何も、全員に強制するわけじゃない。さまざまな理由で働けない人や産みたくないなどの人もいますから。島根の水準でいいんです。島根のように、環境さえ整っていれば働きたい・もっと産みたいという人が必ずいるんです。そこを支援しないでどうする」
 
ちなみに藻谷さん、県内で就業率や出生率が高い「がんばってる町」として、大木町と大刀洗町の名前を挙げられていました~
 
(レポート後半)
 
●1.介護や子育ての費用を消費税でまかなうのは理にかなっている
年をとれば、誰もが何らかの介護を必要とする可能性が高い。
(エミ註:子育ても同様で、たとえ自分の子育てが終わっても、子どものない人も、将来私たちの共同体を支える子ども世代に育ってもらわないと困るわけですよね)
 
いってみれば全員が受益者となるのが介護や子育て。
だから、全世代、全員が納める税でまかなう。そういう税は消費税だけ。
 
わたくしも同感です。
結局、日本の労働人口の減少と高齢化(どちらも今後さらにどんどこ進みます)を考えると、所得税法人税頼みでは、むしろ現役世代&子ども世代が割をくうと思う。
前職の経験から(※1)、少なくとも現行の「企業と税」には悪魔的な矛盾を感じています。
 
そこへいくと、消費税はとてもシンプルで、税の三原則のひとつ「簡素の原則」にも合っています。
閑話休題、藻谷さんのお話に戻って…
 
●2.「消費税を上げると消費がダウンする?!」
 
↑ 消費税アップに反対派も賛成派も、口をそろえて言うフレーズ。
反対派は、消費税反対の理由にし、賛成派は、「だから消費刺激対策(たとえばポイント還元)を万全にします!」と言う。
 
でも、本当に?と藻谷さん、おなじみのスライドが出てきます。
消費税が3%から5%に上がったのが1997年4月。
8%に上がったのが2014年4月です。
どちらの替わり目を見ても、暦年単位では(←ココ重要※2)日本の個人消費総額にほとんど影響は見られません。
 
というか、この20年、拓銀の破綻、山一證券の廃業、同時多発テロ、ITバブル崩壊リーマンショック、もちろん東日本大震災も含め、いろいろなことがありましたが、個人消費総額はほぼ一定です。
(※3.今後は労働生産人口がどんどこ減りますから、長期的にはこの総額も減っていくと思われます…そこで必要なのは…このあたりについては、興味のある方は今年3月のレポートをごらんください)
ということは、8%→10%に上がっても、個人消費が極端に下降することはないのでは?
 
●1と2 の理由から、
【 8→10%への増税は予定通り、2015年に実施すべきだった 】
というのが藻谷さんの意見です。
 
「2015年に予定通り増税していれば、増税分は【すべて】介護と子育てに使われるはずだった。
増税分の税収5兆円×4年間=20兆円があれば、介護士や保育士の報酬を上げたり、環境や保険を整備したり、どれだけのことができただろう? 
しかし現実には延期となったことで、介護士の報酬は伸びず、見切りをつけた人も多い。業界の人材不足はますます深刻化。介護保険も崩壊に向かいつつある。」
 
【 失われた4年間 】という認識だというのです。
 
藻谷 「しかも、今回の増税では、経済活性化やら何やらのためにどれだけの財源を費やしてる?!」
本来の目的と使途がめちゃくちゃになってしまった、ということですね
 

 
私から「逆進性」についてたずねました。
消費税は、どうしても、所得の少ない人ほど負担大になる。所得に占めるキャッシュアウトが多ければ、資産形成の阻害つまりマネーライフの悪循環にもつながります。
逆進性の問題さえクリアできれば、悪くない税制だと思うのですが…。
 
藻谷 「逆進性はありますよ。解決できない」
 
げげーん。
だから、せいぜい税率10%までが限度だろうというのが藻谷さんの意見です。
この人口比を考えると…そこは、のみこむしかないのですかね…
 
我が家のように会社勤めの収入がメインなら飲み込むにしても、中小事業者にとっては命取りになるところも少なくないけれど、致し方ない淘汰ということだろうか? たずねればよかったー。今後の統計にも注意してみます。
 
藻谷 「『介護と子育てのためです、全員が受益者です』とハッキリ説明して、そのとおりに使えばいい。そうしたら納得する国民が大半では?」
 
ちなみに、藻谷さんの消費税に関する意見は右派からも左派からも、経済界でも総スカンを食らっているそうです(笑)
 
法人税も上げるべき】
 
「日本の国際競争力の危機は、机上で作られた幻のイメージ。日本は国際競争に勝ち続けている」というのも、藻谷さんがデータから導いている確たる持論です。
さて、その国際収益の中身を見ると、近年は金利配当が大きく拡大している。
 
(エミ註: 企業が海外の現地法人や直接投資先の利益を株式の配当や貸付金の利子という形で吸い上げてるってことですよね?)
国内の会社の収益は、法人税の手前で「人件費=従業員の報酬」という形でも国を潤す。しかし、海外からの金利配当は、法人税としてしか国は取り込めない。
イノウエメモ: 法人税を上げる案は、今んとこ与党筋にはないですよね? 
 
※1~3はコメント欄に註を打つ予定
 
 
さてさて、他にもいろいろなお話がありました~以下に列挙します。 
余裕があれば、こちらもコメント欄に書きますね。ご参加のみなさま、ありがとうございました!
 
・数字やエビデンスを確認しない日本人のウィークポイントますます悪化中
 
・与党や政府の言うことを信じたなら、真剣に怒れ。こんなに反故にし続けてまだ支持率が5割とは。
 
山本太郎はいいこともたくさん言っているが、行基になってはいけない
 
・「円高になったら輸出企業が打撃を受ける」自体がウソと化しており、経済学ってほんとダメね
 
ナミビアザンビア、マラウィ―などアフリカ南部はまったく危険がない。南アフリカも町の中心を離れたらめっちゃ安全。
・アフリカのデザインは華やかでちょっと黒が入ってるとこがかっこいい
・久留米のLaw-Law's Cafe、マラウィ―で出会った日本人がやってるので、今日このあと時間があれば行きたい https://lawlawscafe.com/
 
ラグビー日本代表になってる外国人選手は…(書くと語弊がありそうなので割愛w 個人的にめっちゃ同感でした)
・世界でいちばん赤字を作る能力があるアメリカ、世界で一番不良債権をごまかすのがうまい中国、世界でいちばん借金能力がある日本、世界のトップ3がこれだから超やばいよね