弥生の五 / ウィメンズマーチ / 「I have a dream」

●3月某日: 午前中、ポスティング。今回、ちょいちょいポスティングをお手伝いしてると、ほんっとうに興味深いというかざわざわするというか。いろんなポストがあり、いろんな家があり、いろんなこと考える。小説が読みたくなる。

夕方、国際女性デーのウィメンズマーチに行くことにする! 迷ってたけど、直前に、参加予定していた人たちが何人か「行けなくなりました」とfacebookに投稿しているのを見て、やっぱりこういうの(デモ)は1人でも多くの人が行ったほうがいいと思って! 夕方以降にサクを一人で留守番させるのはできるだけ避けてるんだけど、それが私の行動の足かせになるのも違うなと思って、友だちの家から帰ってきたサクに事情を話して天神へGO!!

facebookより)

3月8日 国際女性デー
「天神を歩いて福岡を変えよう!」マーチに参加

息子待ちで家を出るのが遅くなり、走って追いついて追い越して、前から回りこんで撮った写真
みなさんとてもいい顔!!

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怒りのデモもとても大事だと思うけど、
日本、特に地方では、デモ文化の育ちはまだまだだから、
笑顔のマーチはとてもいいと思った。
そして、成瀬さんが手にしていたミモザの花束!
本場(?)イタリアを始め、国際女性デーは、女性にミモザの花を贈る風習があるんだよね。
旗やプラカードが どうしても ものものしくなりがちなのに比べて、
お花や風船はピースフルでハッピーな雰囲気を作ってくれる。
女性たちのマーチにはぴったり!

堂々とする
声を上げる
目を合わせ、手をふって、言葉をかわす

それは
楽しいこと 気持ちいいこと
恥ずかしくない びくびくしなくていい
仲間がいるよ

男性たち、
旅行客と思われる外国の方たち、
車の中のご家族や、
制服姿の女の子・男の子たちも
たくさん手を振ってくれた、笑顔で。

ジェンダーの問題を考える日々。
51歳の若さで亡くなった少女小説の名手、
私のジェンダー観の形成にも多大な影響を与えた氷室冴子
キャリアの後半に残したエッセイ集『いっぱしの女』を読み返していた。

 

『カラー・パープル』という映画についての一編がある。スピルバーグの映画にしては、日本ではあまりヒットしなかったらしい。私も未見。

14歳で父に強姦され2人の子どもを産み、その後は無理やり嫁がされた夫に様々な性的肉体的精神的暴力を受ける黒人女性セリー。
以下、「 」内は、氷室さんの文章を引用。

「たくましい息子の妻ソフィア、いとおしい妹ネッティー、そして女王のように生きたいように生きる、輝く女性歌手シャグへのあこがれが、夫にこづきまわされて鼠のようだったセリーを少しずつ変えてゆく。」

「女が女にあこがれ、そのあこがれが生きる力になってゆく、泣きたくなるような思い。私はそういう感情が好きだし、いくつも経験している。」

「女が女に、その社会的成功や美しさだけではなく、その魂において、生きる姿の強さと凛々しさにおいて、心を揺さぶられるほどの感動をもらうことはあるのだ」

この一編、実は「レズについて」というタイトルだ。

「レズというと、男の人が興味をもつのは肉体のカラミ的なものになってしまうが」
「女と女の間の愛情もまた、普遍性をもった感情のひとつであり、ひとりの人間を救う力にもなりうるものとして描かれていた」

けれど、評論家ウケはしない作品だった。特に日本では。
「女性同士の情感を評論の場にのせるだけの土壌が、まだ日本にはないんだろうか?」

その疑問のあとが、作家の文章展開のふるってるところ!!

「(同じく黒人のサクセスストーリーである)『ルーツ』に感動しながら、この『カラー・パープル』を綺麗ごとのメルヘンだと切り捨てるなら、そこに欠けているのは想像力。夢を見る力だ」

そして、キング牧師の有名な演説【I have a dream】を引用し、

「“私には夢がある。” この世で一番うつくしい言葉のひとつだ。」

「映画『カラー・パープル』は、キング牧師の夢の向こうにある世界だった。差別された黒人社会、その中でもさらに差別されてきた黒人女性が、女同士の愛情によって到達しうる、うつくしい夢を描いていた」

 と結ぶのだ。1992年の文章。

四半世紀以上前、良くいっても「個性派」、ややもすれば「イロモノ」ととられがちだった「女性同士のチア、情感」の表現について、王道であるキング牧師の名言とつなげた提示が鮮やか!

どういった種類だろうと、女性同士の愛情、刺激、励ましあいって、あると思う。別に男性を排除する意図ではなく。

堂々として楽しそうな女性を見たとき
世間のものさし関係なく、自分らしく生きている女性を見たとき
「こういうの。ありなんだ!」
と思わせてくれる。
その姿に感動できる。
一歩、踏み出させてくれる。

女性同士の連帯が到達しうる地点は、今はまだ、この国では美しい夢にすぎないけれど、私たちは夢を見る力を持って、歩いてゆきましょう!

拙ブログより 「氷室冴子少女小説は私を励まし続ける」

emitemit.hatenablog.com


18:50ごろ帰宅。サクは言いつけを守って、18時過ぎにちゃんとお風呂をためて入っていた。餃子を焼いて、出かける前に作っておいた鶏手羽ポトフと一緒に19時半に夜ごはん。