如月の二 / 「かたらんね」で後藤富和さんの話を聞く

●2月某日:facebookより

【 人権の基本は「自由である」ということ 】
「みらいカフェ@かたらんね」第3回に参加。
今回の講師は、後藤富和さん。弁護士で、警固中学校のPTA会長で、春から制服を新調する活動にも携わった方。

●性別関係なく選べる制服に スカートでもスラックスでも 福岡市立警固中、校長「時代の流れ」

www.nishinippon.co.jp

「中学生には、のびのびと生意気でいてほしい。テーマソングは、THE MODS『ジャマをするな』だ」とのことです(笑)。90分近いお話でしたが、ものすごくわかりやすくて、終始 惹きつけられっぱなしでした。

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今日は20人以上のお母さんたちが参加。

私たちは、
こういう会に参加する「自己決定権」を持ち、
ここで自分の意見を語る「言論の自由」「表現の自由」を持つ。
「検閲の禁止」役所は一人一人の意見を事前にチェックしてはならない。

私たちは、
ここで憲法や過去の様々な事例を「知る権利」があり、それを「メモする自由」がある。
“ かたらんね ”という場を作る「結社の自由」もある。(結社というと、何かすごいがw)

ふだんは空気のような存在で意識することはないけれど、憲法によっていろんな権利を保証されているから、私たちは自由に生きられる。

こういう権利、人権、憲法は、先人たちが命をかけて戦って勝ち取ってきたもの。
70数年前なら、ここにいる私たち女性に選挙権はなかった。

そのころのアサヒグラフ。つるんとした肌、明らかに10代の少年の、特攻にゆく前日の写真。

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お国のために、家族を守るためにと意を決しながらも、いざ出撃となると失禁したり、錯乱したりする子も多く、そんな子を無理やりコックピットにおさめて飛び立たせるのも整備兵の仕事だった。

ハンセン病(昔の言葉では「らい病」。『もののけ姫』で全身に包帯を巻いていた人たちがいましたよね)。
伝染も、遺伝もしないことが科学的にわかっていても、完治する薬が普及してからも、罹患すると隔離施設に収容され、生涯出ることは許されず、断種(不妊手術)されていた。そして罹患者の子どもは、PTAの大々的な反対運動によって通学を拒否される。
戦前の話ではない。戦後もずっと続いた話‥‥。

ありえないですよね…。

そうそう、
すべての人は、たとえば この “ かたらんね ” に「参加する自由」もあれば「参加しない自由」もある。強制されてはならない。

でも・・・・実は、身近なところにも憲法違反はある。
たとえば、あなたの子の学校では、PTAは、強制加入になってませんか?  それは「参加しない自由」の侵害、つまり憲法違反では?
LGBTの子が、詰襟を / セーラー服を着るよう 強制されてはいませんか?「制服を着なければ教室に入れないぞ」なんて言われてませんか? 
そんな子がいたら、「表現の自由」を侵されている。「教育を受ける権利」も侵されている。

うちの息子は、「学校がイヤだーーー」と、たびたび言う。
先生がイヤなんだそう。誰か特定の先生ではなく、先生全般がイヤなのだという…。
小2にして、何この(健全な)批判精神w

「体育館に並んで移動するとき、1人でもしゃべったり列を乱したら、教室に戻ってやり直しさせられる。あほか、ちゅーねん(←エセ関西弁)」

だよなー! 学校って、そういうとこあるんだよね。
と、彼に共感は伝えてるものの、学校に対してアクションしたことはありません。

読み聞かせボランティアで学校に行くと、授業を静かに聞けない、座っていられない低学年の子が、先生に強く腕をひっぱられて廊下に出される…なんて姿も よく見かけて、モヤモヤします。

ああいうのって、よく「行き過ぎた指導」なんて言いますが、「子どもの人権侵害」なんだ・・・!と、今日のお話を聞きながら、腑に落ちました。

子どもに教育を受けさせる義務は大人にある。
子どもの人権=自由を守るのは、大人のつとめ。

それにさ、1人でも列を乱したらやり直し…なんて話、息子は今のところ、先生のほうを嫌悪してるのでいいようなものの、(なんて健全な批判精神! 一個人たるもの、権力を批判するべきなのだ。)
もし、子どもたちの中に、【列を乱す子】のほうを嫌悪する空気が生まれたら?
いじめ、差別、全体主義・・・って話につながりかねないよね。

学校って、そういう空気を醸成しやすいんだよなー!!

かといって、私が学校に電話して「連帯責任はいかがなものか」とか言っても、一個人の意見、下手したらクレームとして処理されるだけ。学校という現場に対して、建設的な議題として挙げていくには、いろんな連帯や、工夫が必要なのだろうと、後藤さんのお話を聞いて思いました。

小学校の「二分の一 成人式」についても、かねがね違和感がありましたが、後藤さんは保護者代表として、その場でハッキリそれを指摘したそうです。
「うちの子が親に感謝なんてするはずない。そんなふうに育ててない」と断言されていたのが、めちゃおかしかった(笑)。

今日のお話の中で、学校や社会の事例を挙げながら、後藤さんが何度となく口にしていた(わかりやすくお話するためでしょう)言葉がありました。
「私は、どうもそういうことに違和感があって」

それを聞いて、憲法学者の木村草太さんが、著書『憲法という希望』で書いていたことを思い出しました。

引用(大意)
「一般の人は、「何かおかしいんじゃないか?」「個人の権利が侵害されているのでは?」という勘をはたらかせてほしい。
 日本人は我慢を美徳とするので、ガマンしたり仕方がないと考える傾向がある。
 しかし、本当にガマンすべきことなのか? 社会の側を変えるべきじゃないのか? と考えてみることは非常に大切。
 自分らしく生きようとしたときに感じる息苦しさに気づいてほしい。
 そして、そんなとき、専門的な知識や技術について専門家を頼ってほしい。専門家には、一般の人にわかりやすく説明する義務がある。」

emitemit.hatenablog.com

「違和感を大切に」
「息苦しさに気づく」
キーワードですね。

その後、参加者のお母さんたちとのワールドカフェも、とても有意義! いつも思うんですが、こういうふうに、一人一人が尊重されている場を作ると、いろんな意見が出て、共有できるんですよね。
みらいカフェの主催者のみなさん、ありがとうございました。
手作りのおやつやお茶がめちゃおいしかった~!
いろいろなところでお名前をうかがい、時々facebookで回ってくる投稿を読ませていただいてた後藤さんのお話がじかに聞けて、わたくしのミーハー魂も大変満足しました^^

図書館で予約してた本を借りて帰る。今度、おはなし会で読む大型絵本も混じっていて、小脇に抱えて帰ってたら家の下で会った夫(午後半休)がびっくらこいてた。夜ごはん、キャベツと砂ずり炒め、鶏手羽唐揚げ、きびなご、ポテトフライ。クイズ番組で、外国の人が書く漢字をあてる。「わかった、「観」だ!」と私が言うと、サクが「ああ、“みる”って読むやつね」と言った。サク(小2)、漢字のセンスある。マンガいっぱい読んでるからかw