葉月の十一 / ぶら下がりワーママはなぜ生まれるか?

●8月某日: 8/25 ワークライフバランスプレゼン勉強会

後藤香織さんによるプレゼン、
「ぶら下がりワーママはなぜ生まれるか?」
スライドの作り方や、聴衆への問いかけ方などがとっても上手でお手本にしたいくらい。でもそういうテクニックだけではなく心がこもった内容で胸打たれました。

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ぶら下がり社員とは・・・?
『仕事や組織へのコミットが弱く、与えられた仕事をこなすのみ。目的意識や成長への意欲に欠け、現状維持に安住したがる傾向が強く、昇進も目指さないが転職するつもりもなく、会社にべったりと依存する社員』

ふむふむ。

「男女平等の教育を受け、大学時代に男女雇用機会均等法が制定された」

「一方で、家事や育児、介護に日々奔走する母親が、「家制度」の中では軽く扱われているのも見て育った。だからこそ、自分は(経済的にも)自立したかった。」

という後藤さんのバックボーンは、同世代の私にはよくわかります。

大学卒業時は超氷河期で、ついた職は非正規。処遇への不満をバネに、27才で転職し正社員になって、ほどなく結婚しお子さんも授かった後藤さん。「そこからの10年間は人生の暗黒期でした」という告白に、あなたは驚きますか?

第1子が待機児童となり、「このままでは職を失うかもしれない」と泣いていた。
どうにか復職すると、いわゆる “マミートラック” への人事異動。
時短勤務や休みの多さを理由とした低評価で、給料も下がった。
子どもはとても可愛いけれど、ワンオペ育児で追いつめられたり、
家事育児の分担で夫と激しくケンカする日々も。
どうしてこうなるの・・・?
育児休暇から職場に戻るたびに、人生の充実度が下がる。

母であり、会社員であり、地域活動や政治参加活動もしている後藤さん。母になって10年、気づけば、自分の中で、会社の存在はとても小さくなっていた・・・。
夫が単身赴任となって家事育児を一人で担うため、定時に帰るし、打診された仕事を断ったこともある。

私って、ぶら下がり社員になってる? そう見られてる?

就職氷河期、待機児童、マミートラック、そしてぶら下がりワーママへ・・・。
その単語や概念は知っていても、実際に一人の女性の人生にどう影響してきたか知ると、すごいリアリティがあります。

「男女平等の思想は、ただの幻想だった」
と後藤さんが悟るくだりでは、グサッときました。

私自身の経験も、その言葉に集約されるところがあります。そういう女性は多いのではないでしょうか? 私は新卒で地元の企業に入社して9年あまり、いわゆる「やる気社員」として働きましたが、出産前に退職しました。
当時は産休育休を取得する女性社員がおらず、第1号になって葛藤するのがイヤだったのです。

「ガラスの天井」も見えていた中で、奮闘するほどの情熱が残っていなかった。。。
と、それだけが理由ではありませんが、それが一因だったのも確かです。

そして、会社員時代にいただいたご縁や経験値には感謝してもしきれない一方で、セクハラやパワハラも当たり前の会社文化、その中でうまくやるため自分も馴化していたことに気づかされ、会社を離れて時間が経つごとに罪悪感や嫌悪感が増した部分もあります。

そして「ママじゃない私、ポートレート」で同世代の女性たちにインタビューを始めて、みんな、それぞれの環境の中で精いっぱいがんばったり楽しんだりしているけど、
女性としての不条理や抑圧を多くの人が抱えているんだなと感じるようになりました(裏を返せば男性も男性ならではの苦しみがあるということだと思います)。

もちろん完璧な社会や完全な平等なんてありえません。けれど、「だから、社会のせいにせず、自己責任でやっていくしかない」というのは、やはり思考停止だと私は思います。

後藤さんが、ご自身の経験を開示されたあと、「その解決策の1つとして政治がある」と提示したのはとても腑に落ちました。

個人の人生を掘り下げて探っていくと社会環境や時代背景につきあたる。
社会を変えるひとつの手だては、政治。
ここ!!
ここをつながないといけないんですよね!
個人と政治を。

人口構造上、30代以下の有権者は、60代以上の有権者に比べてずっと少ない。
さらに、30代以下の投票率は、60代以上の投票率に比べてずっと低い。
結果的に、政治家の目線も政策も、ボリュームゾーンに向いているのです。
私たち子育て世代や若い世代、その先の子ども世代に対して、政治の可能性は全然生かしきれていません。

それにしても、後藤さんのすばらしい考察や提言・・・
仕事や育児で培ってきたさまざまな経験・・・
ただでさえ人手不足の日本で、後藤さんのような人が「ぶら下がり」に甘んじなければならないとしたら、あまりにもったいないですよね。
周囲のママ友たちを見ていても、まだまだ、そんな人材がたくさんいるなぁと思うのです。

後半のディスカッションメモ: みんなで話そう!【ぶら下がりワーママ】

・男女同じ能力なら、男性のほうを評価・昇格させる風潮がある。

・2度までは育休をとるが、3人目の妊娠出産で退職する女性社員が多い。

・産後、1年未満で復帰することが評価軸に残るための不文律になっている。

・子どもの有無にかかわらず、「ぶら下がり」の女性社員は少なくない。

・結婚・出産前からの女性社員への教育が大事

・男性中心主義の会社文化を変えるためには、男性への教育も大事では?

・「時間当たり生産性」という評価基準が必要

・↑ただ、管理部門では評価が難しい。結局、上司の主観に陥りがち

・女性の管理職登用推進。「2020年に30%」という数値目標←政治ができること

・“バリキャリ”でない女性のロールモデルが必要。

・モチベーションアップのためには、評価もだけれど、身近なコミュニケーションが大事では? 仕事についてはもちろん、その人自身のバックボーンも含めて理解してあげること

年功序列的な給与体系がまだ残っている→中高年の既得権益が若い人・子育て世代のモチベーション阻害になっている

・2人、3人と小さい子を子育てする時期に、仕事の比重が下がるのはある意味当然では? 数年~10年くらい第一線から離れても、第一線に戻れるような仕組みを。

・育児や介護などライフイベントに合わせて働き方を変えられるような弾力的な制度を。年俸制など。

・「ぶら下がり」そのものを全否定すべきなのか? ワークライフバランスの考え方は人それぞれ。全員が昇進願望を持つ必要はなく、その人が良しとするなら、与えられた仕事を黙々とこなして所定の給与を得るという働き方の選択もありだろう。

・「ぶら下がれる場所があるだけいいなあ」とも思う。何らかの事情でいったん辞めると、正職員にはなかなかつけない現実。

私の記憶をもとに書いていますので、解釈の間違いなどありましたら申し訳ありません。
補足やご指摘、これを読んでのコメントなどもありましたらどんどんお願いします。
充実したディスカッションを経て私もさらにいろいろ思うところあり。
近いうちに【ゆるマジ】でも取り上げたいテーマです
後藤さん、ご参加のみなさん、ありがとうございました!!

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コメント欄もすごい充実してるので、興味のある方はどうぞ☆ facebookやってない方も見れる・・・はず。

夕方、ランニング4.5キロほど。
夜ごはんは、インゲンやオクラの肉巻き、小鯵の唐揚げ、フライドポテト、バケット、山盛りサラダ。夫がんばったー。

あさイチ』の「戦争と食」特集を録画で。カルシウム摂取のため、カエルやイナゴや野草はよく聞くけど、卵の殻を細かく砕いてふりかけにしていたというのは初めて知った。美しく活力ある芳村真理疎開生活を語っていた。